これは「消費者行動」講義中に提示した素材を元にしたものです。若干の変更を加えています。ここにある以外の説明をしていますので注意してください。
(香川大学経済学部 堀 啓造)
第23回2001年 1月25日 counter:
(2001/1/25から)
17章 消費者行動Bまとめ
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- 消費,消費者ということばを正しくとらえる必要がある。また,製品クラス等頻繁に使われる用語は定義できること。
- 消費者行動をとらえる枠組みとしては, Engel らの考え方を採用した。
- ここでの中心部分は意思決定法である。
- 意思決定法の合理的人間像モデルである,多属性態度モデルのうち補償型のFishbeinのモデルである(4章の2)。Fishbeinの行動意図モデルでも純粋に客観的な製品属性によって購買が決定されるとは想定しない。
- 補償型であれば,製品のマイナス面はプラス面によってカバーされる場合があるが,非補償型ではそのようなことがおこらない。そういう意味でどのような意思決定方略が採用されるかは重要である。
- 同時にこれは評価基準の問題でもある。評価基準を作成するときの問題解決法を広範問題解決(ハワードとシェス)という。
- このような,過程を考えるとこのようにモデル化できるように思えるが,かなり甘い。
- 意思決定が合理的とはいえないということを示す例としては3章のフレーミング効果がある。製品の客観的属性・主観的属性が単独で評価されているのではなく,文脈効果が大きいことを示している。また,消費者が積極的にそのフレームつまり枠付を行っている例が心理的財布である。
- もう一つの重要な側面は,モチベーション研究で攻めている側面である。自分の考えているところと違うことから意思決定を行っている場合がある。
- 消費者をどのように考えるかが,消費者をどのように攻めるかと関係して重要である。代表的には4つの見方(経済人,受身人,認知人,感情人)がある。
- 従来からも研究はされているが,感情人という見方からも,使用時の感情,満足・不満足などが重視されるようになってきている(5章)。消費者行動全体としても,機能vs経験という枠組みは重要である。
- 消費者の意思決定過程全体を判断するときの目安はこのチェックをしてみることだ。
- 関与の仕方は意思決定方略を変える要因となる。どのようなときに関与が高いか低いかを考える。(11章)
- 消費者が問題解決行動をしていると考えるとき,最大の問題はたいていの購買行動は,不良定義問題(3章1節)であることだ。
- 消費者の動機を考える考える上で,快適と快楽の区別は重要である。そのベースとなる理論は反転理論である。
- その他の動機に関する考え方も消費者行動を考えるときに重要である。9章 2)
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