石井淳蔵『マーケティングの神話』日本経済新聞社 1993年 p179(強調は堀)
渡辺浩弐『デジタルな神様』幻冬舎文庫 1999年 p9
第01話 オンリーユー はライフスタイルを考えた広告法の理想像を示している。
1節 消費者行動に関する個人差研究とその意義
消費者の分析家は消費者の目をのぞき込んで、彼がトヨタを買うかホンダを買うかをいうことができたらいいと思っている。そんな能力がないので、消費者研究者は,内的変数または個人変数の行動への効果を予測するのに、他の方法を使うのだ。 誰も他人と同じではない。指紋を考えればわかる。自分の服の選択、家の装飾、レジャー活動の追求などでも、全く同じ好みのものはいてもわずかである。→人格、価値、消費者のライフスタイルに焦点をあてる。
マーケッター側では
(1)マーケット・セグメンテーション(市場細分)。その目的は、消費者の特定の層または、消費者群にアピールする製品をデザインすることである。
(2)消費者と関連をもつ。1990年代の効果的コミュニケーション(広告)の目標。消費者の人格、価値、ライフスタイルに強く訴えるメッセージを持った広告をうつこと。→その製品/この広告は私のためのものだ。その製品/メッセージは私の信じていること(価値)、わたしが通常しているやりかた(人格)、人生の中での私の状況(ライフスタイル)に一致している。
これらの変数は資源、動機づけ、態度などの変数にくらべ必ずしも重要というわけでもない。しかし、ライフスタイルと基になっている人格とか価値は、より頻繁に目に見える。人格でさえ、動機づけとか知識よりも目に見える。ライフスタイルの広告:ナイキ
2節 パーソナリティ特性と消費者行動
人格:外部刺激にたいする一貫した反応
永続的、内部の心理的特性
自己概念:マズローの階層説 自己実現
1類型論と消費者行動
(1)精神分析理論
フロイト Frued,S.
フロイトの性格理論の説明はフロイトの理論(3)発達段階と固着による性格 辻本@大阪市大 が詳しい。
口唇期,肛門期,エディプス期
問題のあった時期に固着する。退行。
口唇期→唇関係。たばこ,ガム
肛門期→貯める,一挙に出す。ケチ。規則にうるさい。
(2)社会心理理論
個人と社会の相互依存性:社会が人格を形成する。
アドラー、ホーナイ、フロム、サリバン
ホーナイ:不平、攻撃、離反 CAD尺度→広告
2 特性要因理論
人格研究への量的アプローチ。ビッグ5
ビッグ5の説明
Johnson,J.A., & Ostendorf,F. (1993)によると、
1. Social communication.社会的コミュニケーション:→外向性・積極性 Extraversion
2. softness.柔らかさ:対人的あたりの良さ(認めるか・認めないか)Agreeableness
3. constraint.抑制・自制:良心的・注意深い・几帳面な(<->衝動的)Task Orientation
4. freedom from negative emotion.否定的感情から自由:安定(<->不安、心配性)
5. creativity.創造的:知的,柔軟な考え方 Openness to Experience のほうがわかりやすい
日本のビッグ5研究は
辻平治郎編『5因子性格検査の理論と実際−こころをはかる5つのものさし』北大路書房(1998/3/31)
それぞれの5因子名
和田の5因子
N(情緒不安定性)、E(外向性)、O(開放性)、A(調和性)、C(誠実性)
日本版NEO-PI-R
神経症傾向、外向性、開放性、調和性、誠実性
FFPQ
内向性−外向性、分離性−愛着性、自然性−統制性、非情動性−情動性、現実性−遊戯性
柏木(1997;p163-164)
情緒不安定性(N)、外向性(E)、経験への開放(O)、協調性(A)、勤勉性(C)と命名している。
村上宣寛・村上恵子『性格は五次元だった[性格心理学入門]』培風館 1999
がわかりやすい。
外向性,協調性,勤勉性,情緒安定性,知性の5つ。
テストもできる。
テストをするには,exe ファイルをダブルクリックし,解凍する。指示に従って最初の設定をするsetup.exe。→BigFive.exeを実行し→もう一度BigFive.exeを実行すると結果を見ることができる。
1)特性は各人共通にある。程度の差
2)それらの特性は比較的安定している。
環境や場面に関係なく行動に影響を与える。
3)特性は行動指標から推論できる。
3 購買行動の予測
Evans(1959) シボレーとフォードの選好 エドワード性格検査
63%の予測→チャンスレベル
人格は予測変数の1つにしか過ぎない。
人格は10%の行動の分散しか予測できない。(Kassarjian,1971)
ウォルター・ミッシェル(1992;1968)『パーソナリティの理論−状況主義的アプローチ』誠信書房にあるように一般的に性格理論に対して批判的。
but Foxall & Goldstein(1994) 外向性の高いものは酒類をよく消費する。
最近の研究努力:
1)人よりもブランドのパーソナリティ
2)媒介変数
3)より広範で、行動的概念の探索→ライフスタイル
日本の研究は
市村潤(1974)『消費者行動の測定的研究』新書館
4 性格と意思決定
認知への要求
リスク探求型 type T
テキスト
3節 ライフスタイル概念と測定
ライフスタイル:人が生き、時間とお金を使用するパタン
1 サイコグラフィックス
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去年ボーリングに行った
宝くじを去年買った
他人と違って見られたい
テレビは私の楽しみの中心である
去年バーに行った
全ての家庭に拳銃があるべきだ
私の好きな音楽は演歌である
私の好きな音楽はイージーリスニングである
カップルは結婚前に一緒に住むべきだ
私の一番の出来事はこれから起こる
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AIOと同等に使われる。
2 AIO
p186
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活動 興味 意見 人口統計学的
(activity) (interest) (opinion) デモグラフィック
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仕事 家族 自分たち 年齢
趣味 家庭 社会問題 教育
社会イベント 仕事 政治 収入
休暇 地域活動 仕事 職業
娯楽 レクレーション 経済 家族の人数
クラブ会員 ファッション 教育 居住
地域 食事 製品 地理
買物 メディア 将来 都市規模
スポーツ 達成 文化 ライフサイクルの段階
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1)一般的、特殊AIO
2)マーケット・セグメンテーション p99
3 VALSと9つの米国人ライフスタイル
Valsの図式
4節 日本の展開
1 生活保険文化センター
東洋経済新報社
1) 日本人の生活価値観1980
2)自分主義の時代1988
3)さまよえる日本人1993
4)「1996日本人の生活価値観」調査まとまる 全体要旨
同頁から1996年の主な価値観
少し細かい分析大人主義/「大人主義」は、他人への思いやり意識があり、家庭にあっては計画的に将来に備えるという意識を持つ。集団に合わせようとする傾向が強い点で、今回調査でみられた「集団重視志向」と類似した特徴を持つ価値観 自分主義/「自分主義」は、自立性、自主性といった主体的な側面を持つと同時に、他人の目を意識するところもある。今回調査でみられた「自分志向」と「自己顕示志向」の特徴を併せ持つ価値観。 自分中心主義/「自分中心主義」は、他人の目を意識しながら自己を演出したいという意識と、責任や苦労を避け、なるべく楽に暮らしたいという意識を持つ。今回調査でみられた「自己顕示志向」と「安楽志向」の特徴を併せ持つ価値観。 集団重視志向/前回調査までは価値観のネーミングに「主義」と言う表現を使用していたが、今回は「志向」に変更している。変更した理由は、「主義」というほど集約された形では抽出されなかったからである。
(2)NHK放送文化研究所(1998)『現代日本人の意識構造』NHKブックス
その日その日を,自由に楽しく過ごす <快志向>(自己本位,現在中心)23%
しっかりと計画をたてて,豊かな生活を築く <利志向>(自己本位,未来中心)29%
身近な人たちと,なごやかな毎日を送る <愛志向>(社会本位,現在中心)40%
みんなと力を合わせて,世の中をよくする <正志向>(社会本位,未来中心) 7%
(%は1993年調査のもの。73年調査に比べ,愛志向が9%増えている。利志向,正志向が減っている)
(3)総理府広報室 世論調査 国民生活
Q11〔回答票8〕今後の生活の仕方として、次のような2つの考え方のうち、あなたの考え方に近いのはどちらでしょうか。
(56.3)(ア)物質的にある程度豊かになったので、これからは心の豊かさやゆとりのある生活をすることに重きをおきたい
(30.1)(イ)まだまだ物質的な面で生活を豊かにすることに重きをおきたい
(12.0) 一概にいえない
( 1.5) わからない
1977年から1997年までの「心の豊かさ」「物の豊かさ」選択パーセンテージ
6節 時間的資源
@伝統的レジャー(余暇)の概念
仕事 /レジャー
A現代のレジャーの概念
仕事 /非自由時間/レジャー
給与時間/義務的時間/自由時間
経済企画庁総合計画局(1987).『2001年時間と消費の予測シナリオ』ダイヤモンド社
電通マーケティング戦略研究会(1985).『 感性消費・理性消費』日本経済新聞社 p13
「自遊時感」社会のコンセプト
ライフデザイン研究会(1991).『時間のニューパラダイム』 誠文堂新光社
表 時間のコンセプトとビジネス例(抄録)
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時間のコンセプト 時間ビジネス事例
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時を縮める
リアルタイム情報 宅配便 高速ビデオ ジェット機
リモコンHA ポケットベル、携帯電話 新幹線、リニア
全自動家電 ファーストフード ヘリポートビジネス
ファクシミリ 直行フライト便
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時を創る
ハウスクリーニング ホームショッピング 料理宅配
ワープロなどビジネス代行 託児所 ギフト代行
家事代行 ペットホテル オフィスオートメーション
コインランドリー レトルト食品
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時を重複させる
ヘッドホンステレオ カセットブック マルチ画面テレビ
通勤ラジオ ビジネス型リゾート キャッチホン
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時をズラす
予約ビデオ録画 留守番電話 空き時間ビジネス
レンタルビデオ 指定電報 冷蔵庫 指定予約
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時を広げる
(深夜
コンビニエンスストア 深夜劇場、コンサート
深夜運行地下鉄 深夜ビデオレンタル 深夜薬局
早朝
早朝ブレックファースト会議 早朝フィットネスクラブ
早朝英会話教室 早朝ヘアサロン
全日
通信施設基地 料理ベンダー 医薬品ベンダー
雑誌、衣料品、花ベンダー(自動販売機)
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時を消費する
カルチャーセンター パーティ 家庭菜園、花作り
国内旅行、海外旅行 日曜大工 ファミリーレストラン
スポーツ施設 DIYグッズ エステティックサロン
別荘、リゾートマンション ヘルスセンター
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時を殺す
無目的フリータイムツアー 歴史再現旅行 一人旅
カメラ、ショッピングおみやげ、グルメなし旅行
長期滞在リゾート 長期船旅 長期寺社瞑想タイム
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時を計る
時計、タイマー タイム売りスポーツ施設等 時間簿
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時を限定する
期限限定サービス 旬感覚新○○商品 記念切手
期間限定ディスカウント ○○ヌーヴォ商品
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時を残す・蘇らす
家庭用ビデオカメラ 成長記録用アルバム 古地図編纂
放映済ビデオ頒布 記録ビデオ編集 伝統芸術保存 社史
自分史出版 家系図つくり 学窓者名簿づくり 日記
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重要なのは、
(1)時間消費(型)商品 時間を使うことを楽しむ。船旅など
(2)時間節約(型)商品 その時間を切り詰める。電子レンジ、レトルト食品
そのほか、
(3)多重時間使用 同時にいくつものことをする。車で移動しながら電話する
(4)時間価格(価値)の伝達 即乾、即席 JRのぬるいうどん
(5)時間:変化するもの ベンジャミン・フランクリンの時間に対するコメント
時間が重要であると認識されだした。
したいことがいっぱいある。
「てま」食う人々 博報堂生活総合研究所 も読んでみる。(なくなっている)