消費者調査法(第6回)


最終更新日: counter: (2000/5/24からの累積 )

第5回へ メニューへ 第7回へ

前回回答集
11月12日課題
p53-54 (1)から(8)の課題を実行せよ
(1),(5),(7)をレポートする.
問(1)から問(4)に答える
問(5)母集団が1億人の視聴率を調べたい.誤差を1%とするとき,予想される視聴率が10%,20%,30%,40%,50% の時の必要サンプルサイズを求め記せ.excel 等のプログラム可能な道具を使って良い.さらに,このことからなぜ母集団の比率が推定できないとき,50%(P=0.5)とおくのか考えて答えよ.
ヒント:10%の時はP=0.1 となる.

訂正: p51の(1)のn を求める式の適用において t=0.05としていましたが,t=1.96 の間違いでした.修正します.

提出期限は2004年11月24日16:00まで。
解答例

復習問題:団塊の世代(第1次ベビーブーム)の生まれた年は? 今年何歳になるか?
復習問題:非標本誤差とは何か?

追加:定性調査 vs 定量調査

計画標本 田中重人 統計分析の基礎 pdf ファイル

第5章 調査票の作成

1 調査票の特質

1.1 調査票とは何か

質問調査法、調査票(スケジュール)
質問紙:調査対象自らが質問を読み、回答する調査票

1.2 調査票作成の手順

(1)調査テーマや調査問題を明確にする

(2)解明したい問題に関する仮説を立てる
  目的変数・説明変数、従属変数・独立変数など

(3)質問項目を決める

(4)質問項目を細分して、小さな質問項目を作る
   そのなかにフェイス項目(性別、年齢、職業などの調査対象者の基本属性)が含まれる

(5)各質問項目に関して質問を作ってみる
   測定尺度を考慮する

(6)予備調査(プリテスト)を行い、質問が意図されたとおりに理解され、回答されているかどうか見きわめる
   質問の仕方、選択肢の作り方

(7)予備調査(プリテスト)の結果を検討し、最終的な訂正や修正を行う

2 調査票の作成の仕方

ワーディング(wording) 文章や言い回し

質問作成において考慮すること
(1)解明したい問題に関連した質問や仮説に基づいた質問を選ぶ

(2)人によって違って解釈されやすい用語は明確にその意味を規定しておく

(3)あいまいな表現の質問をしない
  「収入の額はいくらですか」→税込み?手取り?月収?年収?

(4)短く簡潔な質問にする   複文にならないようにする。否定はさける。受身にしない。など

(5)調査対象者の多くがよく知らないことを聞かないようにする
  →知っている人だけに枝質問(サブ・クエスチョン)にする。

(6)事実に関する質問と、評価に関する質問とを明確に区別しておく

(7)2つ以上の事柄や論点を1つにまとめて質問しない

(8)回答をある一定の方向に偏らせるような問い方やことがを用いていないかどうか注意する
  「…についてあなたは賛成ですか」「…についてあなたは賛成ですか、それとも反対ですか」

(9)人々の一般的な態度や考え方を知ろうとする質問なのか、本人の実際の行動そのものを聞く質問なのかを区別する

(10)タテマエ的な回答をされないように問い方を工夫する

(11)質問の順番は回答に影響を及ぼすので、よく考えて順番を決める
  フェイスを最初にきくのか、最後に聞くのか?
  答えやすい質問を最初に

(12)回答の様式に、自由回答法と選択肢法の2つがあるので、個々の質問についてどちらが適切か検討する

3 回答の様式


調査法例:アンケート100人に聞きましたアンケートに答える
いろんな質問の仕方があること、未熟なレベルがあるので大いに参考になる。

3.1 自由回答法(open-ended question, open answer, free-answer)

プリテストや探索型

3.2 選択肢法

(1)2項選択回答形式(二者択一式)
(2)3つ以上のなかから択一式
(3)3つ以上の選択肢から2つ以上選んでもらう(複数回答)択多式
(4)順位をつけてもらうもの
-------
(5)ある事柄について賛否や程度の違いを質問するもの
  SD法、リッカート尺度

4 フェイスシート

学歴や職業の聞き方はあとの処理なども考えて聞く。
学歴では旧課程のものや各種学校などにも注意をする。
職業はパートタイムなどに注意する。

5 具体的調査項目については

安田三郎・原純輔 1982 社会調査ハンドブック第3版 有斐閣
が特にくわしいので参考になる。ほかに
飽戸弘 1987 社会調査ハンドブック 日本経済新聞社
にも調査項目が多く収録されている。


《参考・引用文献》

井上文夫ほか 1995 よりよい社会調査をめざして 創元社(テキストといっている書)
豊田秀樹 1998 調査法講義 朝倉書店

堀 啓造(home page)