消費者調査法(第5回)
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復習問題:インターネット調査法の長所と短所を説明せよ。
第4章 調査対象者の選定
1 全数調査と標本調査
1.1 調査対象の定義
調査対象「日本人の20歳代の若者」→約1800万人→全数調査(悉皆調査)or 標本調査
母集団→標本
世帯単位 世帯主?主婦? どっちが調査対象?
(1)対象の属性 | 「寝たきり老人を抱えた世帯」 | 満20歳以上30歳未満の日本国籍を有する男女
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(2)対象の範囲 | 神戸市に居住する | 日本に居住する
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(3)属性と範囲が適用される時点 | 1995年10月1日現在 | 2000年10月1日現在
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属性と範囲は区別できるの?
本の註「民生局」→「神戸市民生局」
1.2 標本調査
母集団(universe,population, センサス)
時間・費用・労力から全数調査は普通はしない。
(1)誤差
1)標本誤差
「母集団の要素全てでなく、その一部を無作為に調べたことによる誤差。たとえば、正確なコインを100回投げても必ずしも50回表が出るとは限らない(そうならないことが多い)。53回表が出て、母比率を0.53と推定したら0.03は誤差である。」(豊田,1998 p34)
統計学の問題が入ってきて少しややこしくなる。
青木繁伸氏の「母集団と標本」の解説。
テキストではここで区間推定の説明をしている。青木繁伸氏の「母平均の信頼区間」の解説
p68 の計算は正規分布の値をつかっているが、これをt分布の場合でやってみよう。
t分布表の値は? 計算機を使うと? web計算機(青木繁伸氏)t分布のパーセント点
このあたりのちょっと細かいところは、「標本平均と標本標準偏差の組み合わせと Student の t分布」@上智大学 しかし、ここでは触れない。
2)非標本誤差
(a)回答者の虚偽の回答
(b)質問の意味の取り違え
(c)不在や拒否による調査不能
(d)調査員による記入ミスやバイアス
(e)調査員の不正(調査員が回答してしまうなど)
(f)データを集計する際の計算ミス
(g)コンピュータへのデータの入力ミス
豊田(1998)ではこれ以外の重要な要因も挙げている。
(h)妥当でない母集団
(i)回答者の疲労
(j)社会的望ましさの影響
(k)質問文の不備
(l)調査主体バイアス
データが異常値をとることで発見できることもある。単純なコーディングミスはコード外の値が入っている。
(2)標本調査の利点と注意点
1)簡便性
2)即応性
3)非標本誤差の制御
標本のバイアス、回収率
テキストの例
「社会調査をどう思うか」1000人調査。回収率30%
好意的で協力しようという人 80%
非好意的で協力したくない人 20%
→「社会調査に好意的で協力しようという人が80%もいる」と結論できるか?
2 標本抽出法
2.1 標本抽出法のいろいろ
(0)convenient sample
(1)有意抽出法
(2)無作為抽出法(ランダムサンプリング)
(3)クォータ法
2.2 無作為抽出法
(1)単純無作為抽出法
(2)系統抽出法
(3)層化抽出法
(4)多段抽出法
(a)確率比例抽出法
(b)等確率抽出法
(5)層化多段抽出法
2.3 標本数の決め方
どの程度の精度が必要かをもとに求める。
式(4)から95%の信頼度で、テレビ視聴率を2%の精度で求める。母比率は20%、人口は1億とする。
母比率を5%としたらどうなるか?
実際の視聴率調査、政党支持率調査のサンプル数はどうなっているかインターネットで調べてみよう。
《参考・引用文献》
井上文夫ほか 1995 よりよい社会調査をめざして 創元社(テキストといっている書)
豊田秀樹 1998 調査法講義 朝倉書店
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