これは講義中に提示した素材を元にしたものです。若干の変更を加えています。これ以外にも説明していますので注意してください。
最終更新日: 第1回1999年4月13日 counter: (1998/8/25から)
1章 消費者行動とマーケティング
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消費者行動  (Consumer behavior)

消費者心理学 (Consumer psychology)

2つはほとんど同じ意味に使われている。
消費者行動テキストの最初
Engel, J.F., Blackwell, R.D., and Kollat, D.T.(1968) Consumer Behavior.
1968,1973,1978,1982,1986,1990,1993,1995

Engel, J.F., Blackwell, R.D., and Miniard, P.W.(1995)Consumer Behavior.8th ed. Dryden. Pp951

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消費者行動とは「商品やサービスを獲得し,消費し,廃棄することに直接含まれる活動のことであり,これらの活動の前後の意思決定過程をも含む。」(Engel et al. ,1995)

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消費者<−>生活者(よみもの

なお,生活者を知れ! @博報堂生活総合研究所およびそのつながりも 生活者とは誰のことか参照のこと

 

消費者と生活者は同じではないし、消費者というところでは生活者という言葉を使うべきでない。 -------------------------------

テキストp11図1−1は消費の考えに問題がある。消費は上の定義のように広い。テキストは、きわめて狭くしかも通常の消費でない側面を消費と考えている。下にあげる国語辞典の定義にみるように消費は、単にものを買うことではない。このあたりの理解ができないものが消費者を生活者と呼んでいる。なんでも新しいことばがいいと思っているからだ。

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大辞林 2版(三省堂CD-ROM)

【消費】(名)

(1)物・時間・エネルギーなどを,使ってなくすること。「時間を無駄に―する」
(2)〔経〕欲望充足のために,生産された財貨・サービスを使うこと。

【財貨】

財産として価値のある品物や金銭。財物。goods; commodities; property

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【消費者】

(1)物資を消費する人。商品を買う人。

(2)〔生物〕無機物から有機物を合成できず,生産者を直接または間接に摂食することにより有機物を得ている生物。通常は動物をさす。⇔生産者

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p14

製品−原料を加工することによって販売を目的として作られた生産物

製品クラス−テレビ,シャンプー,乗用車など製品の集合

商品−売り買いの対象になっているもの

ブランド(銘柄)−特定の企業が提供する商品やサービスを示し,ほかの企業のものとは区別するために用いられる名称

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消費者行動からの観点

  1. 消費者への影響
  2. マーケティング
  3. 消費者教育と保護 
  4. 公共政策
  5. ポストモダン(homepage 桑原
  6.     多様な目的と方法。経験意図重視 

  7. 異文化間 (北米・ヨーロッパ・日本?)
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Engel et al(1995)

  • 消費者は野蛮人?
  • (a)BIC(ボールペンやライターで大成功している会社)の香水への進出失敗→新製品がいかに難しいかを示す。

      香水は功利的判断ではなく感情。

    (b)1100(77社) 5年後56%残

          112社の8%が新コンセプト製品

            83%失敗

    →消費者の欲求を満足させること

  • 研究を通じての消費者の動機づけと行動の理解 →かなり理解できる
  • 消費者に影響を与える→うまくやる
  •    北米ホンダ

    適正な倫理感覚をもった消費者への影響力の行使
    安全であることの権利
    知らされる権利
    選択できる権利
    意見がきかれる権利
    綺麗で健全な環境を享受する権利
    貧困者や少数者がその利益を保護される権利
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    時代の変遷

    マーケティング・コンセプト p16-17

    1. 生産志向・製品志向の時代
    2.    「作ったもの売る」

    3. 販売志向の時代
    4.    「作ったもの売る」

    5. 消費者志向と顧客志向
    6.    「売れるものを作る」

      (リレーションシップ・マーケティング)

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    時代の変遷2(宣伝会議 1988.6 NO450)を改変


    1945 敗戦              欠乏と回復の時代

    1950 朝鮮戦争            《人間らしさ》

                         {食→衣}


    1956 戦後は終わった(経済白書)    (三種の神器)

                       成長の時代

    1960 所得倍増計画          《人並みの生活》

    1964 東京オリンピック          {耐久財}

                       (3C)


    1970 万博              転機の時代

    1972 田中角栄通産相列島改造論    《ファッショナブルな生活》

    1974 石油ショック          {レジャー,付加価値}


    1980 東京サミット          成熟化の時代

    1985 つくば博            《自分らしい生活》

    1989 消費税,平成元年        (バブル){情報}

       11月ベルリンの壁崩壊


    1991 バブル崩壊。湾岸戦争

    1995 4月円ドル為替レート 瞬間最高値1ドル=79.75円

    1997 消費税アップ


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    先進国の発展状況 −>消費社会論

    (佐伯啓思「欲望」と資本主義 講談社現代新書)

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    消費者を見るときにまず考慮すべきこと

    その国の発展状況

    その地域の発展状況

    その商品の成熟段階

    その人の発達状況

    人生の段階

     



    大都市シーンの研究<中間報告> 
    http://www.hilife.or.jp/20015/20015.pdf

    <文献>
    消費社会論については,
    佐伯啓思(1993)「欲望」と資本主義 講談社現代新書
    がよい.1920年代のアメリカを描いた
    常松洋(1997)大衆消費社会の登場(世界史リブレット48)山川出版社 \729
    はコンパクトにこの時代をまとめている.耐久消費財の普及とともになにが起こったかを知ることができる.日本の1955年から1970年の変化と対応させてみよう.
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