消費者行動における関与尺度の問題

堀 啓造

これは香川大学経済論叢,第63巻第4号, 1991年3月, 1-56に載せた同タイトルの論文の初稿版である.もしも引用したいときには論叢にあたり,引用してください.かなり変わっている部分があります.
註と文献は別ファイルになってます.

 関与の研究はその後失速しましたが,調整変数としてはまだまだ大事なものだと思っています.


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             目次
1.関与概念の整理
2.関与の測定
3.関与尺度
 3.0.従来の尺度化の概観
 3.1.単一因子
  (1)一般尺度
  (2)製品別尺度
  (3)購買関与
  (4)複数手法による尺度評価
 3.2.複数因子
  (1)知情意型因子関与
  (2) S−O−Rパラダイムの関与
  (3) 機能別関与
  (4) 製品クラス別の関与
  (5)関与因子の関係
4.消費者行動研究にとっての関与
文献
註:尺度等
資料


 消費者心理学の基本的問題は、消費者の意思決定がどのようになされるかということにある。消費者の意思決定をめぐって多くの媒介変数の議論がなされている。商品のタイプ分けによるもの、購買態度によるもの、事前思考を規定する変数の組合せによるもの、ブランドロイヤルティによるもの、知覚したリスクによるもの、そして関与によるものなどさまざまある。本稿では、消費者の意思決定のついて比較的最近検討されている関与についての議論を取りまとめ、関与に関する議論の混乱をときほぐす試みをする。

 関与に関する考察・展望はすでにいくつかでている。関与の定義に関しては混乱を極めている。本稿では、関与の定義についての理論的考察についての問題を最初に取り上げ、最初の考察に必要な整理を行う。ついで、調査実験研究でおこなわれている関与のタイプ分けつまり関与の尺度化について展望する。最後に、関与の消費者行動研究への適用について提案をする。

1.関与概念の整理

 関与概念の研究は社会心理学の態度変容研究と自我研究の2つの流れがある。態度研究については、M.Sherif & Cantril(1949)から出発し、M.Sherifらの一連の研究(C.W.Sherif,M.Sherif,& Nebergall,1965; Kiesler,Collins,& Miller,1969参照)後、Petty & Cacioppo型の研究が1980年代には中心になってきた。一方、自我研究の研究はAllport(1943)に展望があり、Greenwaldの研究へと流れている。自我のメカニズムが他の処理におよぼす影響を研究するものである。

 関与概念の重要性を指摘したM.Sherif & Cantril(1947)は自我関与について明確な定義をしていない。そこでは、自我というかわりに自我関与ということばを用いている。"I","me","mine"、として境界づけられ、分化し、累積した経験と関係した態度を自我態度と呼ぶ。この自我態度の集積から自我は構成されている(*1)。この態度がその場面場面で呼び出されたとき、わたしたちは個人的に関与していることになる。自我態度に関係した経験、自我経験は特別な暖かさとなじみが感じられる(*2)。自我関与は態度の強度であったり、中心性であったり、ワタシの学校のように自我態度であったりするが、基本的に特定の対象に対するものであった。その後、自我関与に関する実験的研究が多く行われ、実験方法とともに自我関与の概念は拡散していった(*3)。例えば、Festinger(1957)は認知的不協和の考えを提出するなかで、重要性はその選択肢だけでなく、選択しなかった選択肢の重要性を含めて問題全体の重要性の概念を使用している。1960年以降、関与概念がさまざまなに分化し、分類されてきた。関与のタイプとして問題関与、反応関与、個人関与、課題関与などが提案されている。Petty & Cassioppo(1979, 1986)は、これらの関与を「思慮下にある問題が個人的に重要である程度」に関する問題関与、自我関与、個人関与と、「採用した特定の反応が個人的に重要である程度」に関する反応関与、課題関与の2つのタイプに関与を分類している。Johnson & Eagly(1989)は説得の研究の実験方法からやはり関与を3つに分類している。被験者の永続的価値を活性化する「価値関連関与」、望ましい結果を達成するために被験者の能力への関心を活性化する「結果関連関与」、被験者の態度が他人に与えるであろう印象についての関心を活性化する「印象関連関与」の3つの関与(*4)である。

 一方、Allport(1943)からの自我心理の流れがある。自我心理学における研究では、自我関与のあるなしによって情報処理に違い生じるということが主要なテーマである。Allport(1943)は「自我関与しているか、していないか、によって人間行動の決定的が違ってくる」としている。そして、「自我関与は、知る者として、組織する者として、観察する者として、地位を求める者として、社会的存在として、自己が全体的関わる条件である」ことを示す研究例として、判断、記憶、学習、動機づけ、要求水準などについての研究を挙げている。Iverson & Reuder(1956)が自我関与の効果の研究を展望している。最近は、Greenwaldが精力的に自我にからんだ問題をまとめている。自我関与を高める方法の分析から他者の評価への関心(知能テストだといって課題を与える)、自己評価への関心(鏡を置く)、個人的重要性(矛盾したメッセージを提示する)の3つの面が挙げられている(Greenwald,1982)。自我心理学のなかでも自我関与のテーマのもとにさまざまな自我関与が研究されてきた。

 自我関与という考えは使わないが、態度研究の中の機能論の考えが自我関与研究と強い関係をもっている。態度の機能論とは態度がどういう働きをもっているかを問題にするので、その核心は態度の動機側面をとらえることである(Lutz, 1981)。態度を機能論的に考えるアプローチはKatz(1960),Smith et al.(1956)に代表される。。Katz(1960)は適応(道具)機能自我防衛機能価値表出機能知識機能の4つの態度機能を示している。Simth(1947)は価値機能、一貫性の機能、欲求充足機能、意味機能、同調機能の5つ、Smith et al.(1956)は対象評価、社会的適応、外在化の3つ態度機能を挙げている。Smithらのハーバード大学グループの研究とKatzらのミシガン大学グループの研究をまとると、価値・自己概念の表現、意識的に受容できない動機の間接的満足、社会的要求の満足、知識の探求・組織的一貫性、報酬の最大化・罰の最小化の5つの基本要求がある(Lutz,1978,1981)(*5)(*6)(*7)。
態度変容、自我研究、態度の機能論の自我関与の分類をJohnson & Eagly(1989)に従ってまとめたのが表1である。似通った概念が3つの研究分野から生じていることがわかる。 


   表1.自我関与分類間の関係(Johnson & Eagly(1989)を元にしている)
----------------------------------------------------------------------
Johnson & Eagly 従来の研究 態度の機能論   Greenwald(1982)
----------------------------------------------------------------------
価値関連関与  自我関与  価値表出機能  個人的重要性
結果関連関与  問題関与  道具的機能   
印象関連関与  反応関与  社会的適応機能 他者による評価への関心

                               自己評価への関心(*)
----------------------------------------------------------------------
(*)Breckler & Greenwald(1986)は自己評価への関心を達成動機に関係させている。


 このように自我関与の概念が拡散する中で消費者行動にも関与の概念が入ってきた。マーケティング、消費者行動のなかで明確に自我関与という用語を使っているのはBayton(1958)(*8),Woods(1960)(*9)である。1965年にKrugmanが広告に対してほとんど関与していない消費者像を明らかにし、消費者行動の研究に大きな影響を与えた。1970年代より多くの研究者が関与を研究するようになり、同時に関与概念は社会心理学以上に混乱を極めている。

 社会心理学の自我関与の分類でもわかるように、関与の概念にはさまざまな側面があり、さまざまな分類が行なわれている。いままで行なわれた分類例を消費者行動を中心に挙げると表2のようになる。関与概念をもっとも包括的で整然とした整理をしているのは青木(1988a)である。青木(1988a)は関与分析のあり方を対象と持続性および動機的基盤から分類している。現在の関与研究は類似の用語を使用して異なることに言及しているという問題があるので、本稿においては非体系的な用語集(*10)として関与概念を整理する。

      表2 関与の種類(理論)
Zimbardo(1960) 問題関与・反応関与
Woods(1960) 自我関与商品(威光・成熟・地位・不安)、快楽性商品、機能性商品
Freedman(1964) 自我関与に2種類(コミットメント・問題関与)
Rothschild & Houston(1977) 0次関与・高次ロイヤル関与・高次情報探索関与
Houston & Rothschild(1978) 状況関与・永続的関与・反応関与
Mitchell(1979) 状態定義・過程定義
Petty & Cacioppo(1979) 思慮下にある問題が個人的に重要・採用した特定の反応が個人的に重要
Bloch(1981) 永続的関与・状況関与
Greenwald(1982) 他人の評価への関心・自己評価への関心・個人的な重要性
Zaltman & Wallendorf(1983) 製品クラスへの関与・代替ブランドへの関与・特定ブランドへの関与・説得的コミュニケーションへの関与
Park & Young(1983) 感情的関与・認知的関与
Greenwald & Leavitt(1984) 行為者関与・聴衆関与
Gardial & Zinkhan(1984) 場面関与・製品関与・課題関与
Muncy & Hunt(1984) 自我関与・コミットメント・コミュニケーション関与・ 購買重要性・反応関与
和田(1984) 課題関与・状況関与・製品関与、認知・感情
Gardner, Mitchell,& Russo(1985) 注意+処理方略
Rossiter & Percy(1985) 認知の次元(高関与・低関与)×動機の次元(情報・変換)
高関与は購入前探索・確信、低関与は以前の経験
Zaichkowsky(1986) 広告に対する関与・製品に対する関与、購買決定に関する関与
Mittal(1987) 認知的関与・感情的関与
Costley(1988) 内容次元(認知・状態・反応)、対象次元(製品・広告・状況)、 性質次元(感情・認知)、強度次元
青木(1988a) 対象(特定の対象物に対する関与・特定の課題に対する関与・ 特定の行為や処理プロセスに対する関与)
持続性・状況特定性(状況特定的で一時的関与・状況横断的で永続的 関与)
動機的基盤(認知的・感情的)
Baker & Lutz(1988) 意志決定関与・広告メッセージ関与
青木(1989) 対象特定的関与・状況(課題)特定的関与(課題特定的関与)
Mittal(1989c) 先行体・功利的目標と機会損失・心理社会的目標と機会損失
Johnson & Eagly(1989) 価値関連関与・結果関連関与・印象関連関与
Maclnnis & Jaworski(1989) 要求として認知・感情


@自我関与(ego-involvement)

 Sherif & Cantril(1947)が問題にし、Ostrom & Brock(1968)がはっきり定義した。「事物または考えが個人の価値体系の中心に関連する程度」を指す。

 Greenwald(1982)のいうように自我関与ということばは多様な意味で使われている。

Aコミットメント(commitment)

 「ある問題の特定の立場への関与」のこと。問題自体に対する関与と異なる。特定の車ではなく特定の車のタイプに価値を見いだすように、自我関与はコミットメントなしにも存在する。また、知覚したリスクが高い場合などに、コミットメントは自我関与なしでも存在し得る。コミットメントは「ロイヤルティ」という名のもとで研究されている。

Bコミュニケーション関与(communication involvement)・広告関与(advertising
invlovement)

 Krugman(1965,1967)が問題にしたもの。Muncy & Hunt(1984)はコミュニケーション関与といっている。「特定の時におこるもので、場面特有で、一時的なもので、コミュニケーション、特に広告に対する関与」である。個人の生活のある特定の側面に結び付いていて個人の中心的価値体系と関連していない。特に消費者の情報処理と関係している。現在、広告関与と絡めて、広告の情報処理に関する理論研究・実験研究が多く行われている(*11)。

C購買重要性(purchase importance)・購買関与(purchase involvement)

 Howard & Sheth(1969)がとりあげた。自我関与や知覚したリスクなどによって購買重要性が高くなる。購買関与と他の関与との関係を描いたものにBloch & Richins(1983)がある。購買関与は状況関与の一種である。

D反応関与(response inovolvement)

 2つのタイプの定義がある。一つは、Houston & Rothschild(1978)が提案した、「消費者の意思決定全般を特徴づける認知過程および行動過程の複雑性」という定義である。高反応関与のものはできるだけ多くの情報を集め、最適の選択に到達するように集めた情報を使う。

 もう一つは、Zimbardo(1960)の「自分の反応の結果つまり自分の意見の結果についての関心」という定義である(*12)。これに対するものは問題関与(issue involvement)である。Johnson & Eagly(1989)はZimbardoの実験からすると反応関与というよりも印象関連関与であるとしている。

 2つの反応関与は全く異なる定義である。消費者行動のなかでは反応関与というとHouston & Rothschild(1978)の意味で使用する場合が多い。この考え方には、単に関与の結果であって関与といえないという批判もある(青木,1988aなど)。反応関与は関与している場合おこなわれる状態を指しているものであり、この側面は関与と呼ぶよりも情報処理の複雑さ、処理水準などと呼ぶほうが混乱を招かないであろう。実際の測定ではこの反応関与の側面を測定することが多い。関与を行動としてとらえると反応関与こそが関与ということになる。

E永続的関与(enduring involvement)

 Houston & Rothschild(1978)は新行動主義のS−O−R(*13)の立場から関与を分類しているが、その中のO(生体)の部分に対応する関与である。その状況以前から個人のなかにある、個人間の差違を説明する関与である。

 Block(1982)は製品関与と同じものとして永続的関与を見ている(*14)。ここでは、Richins & Bloch(1986)を参考にして、「購入場面と独立して存在し、自我または快楽的楽しさとの関連程度によって動機づけられる関与」としておく。代表的には製品関与である。F状況関与(situational involvement)・課題関与(task involvement)

 Houston & Rothschild(1978)によると、状況関与は「ある状況がその状況においてその人の行動に対する関心を引き起こす能力」のことである。代表的なものは購買重要性である。課題関与も含めることがある。

 消費者行動における課題関与は購買目的の違いによって生じる関与である。状況関与が購買状況と非購買状況を区別することが多いのに対して課題関与は購買場面に限定されている。例えば、Gardial & Biehal(1985)は「カメラを友人のために選ぶ」というのと「単にブランドを選ぶ」という設定で課題関与を操作している。また、Clarke & Belk(1979)においても課題関与を贈り物として買うか、自分の使用するものとして買うかで区別している。課題関与と状況関与の区別は微妙である(*15)(*16)。多くの研究は課題関与を状況関与と区別していない(*17)。

 一方、達成動機の研究のなかで課題関与は問題関与とよく似ている。たとえば、Nicholls(1984)は、競争場面におくことで自我関与を高めるのに対し、非競争場面において課題関与を高めている。課題関与においては課題に対する遂行の改善が目標であり、課題のマスターが最終目標であるのに対し、自我関与は自己の能力が他人より優れていること示すことが最終目標であり、課題のマスターは手段にしかすぎない。Nichollsの自我関与はGreenwald(1982)の自己評価への関心となる。

 購買関与と課題関与の関係は、購買という課題ととるか、購買の中での課題区分ととるかによってわかれるところである。永続的関与と状況関与に区別すれば贈り物に対する永続的関与と送り主による状況的関与というように課題区分ごとの課題関与にもそのような区別は有り得る。消費者行動の枠組みのなかで考えるならば、購買課題中か否かよりも購買の中での課題区分のほうがより生産的な問題となる。

G問題関与(issue involvement)・個人的関与(personal involvement)

 Zimbardo(1960)によると、問題関与(issue involvement)は、「個人の要求、価値に関連するものであり、そのものに対する関与」である。Zimbardoは従来の関与研究を問題関与としてまとめ、それ以外の側面として反応関与を考えたので問題関与そのものは実験的に操作していない。

 この定義からすると、自我関与そのものに一見見えるが、Johnson & Eagly(1989)は実験方法からすると問題関与というよりも結果関連関与であるとしている。現在、説得に関する関与の研究の多くはPettyとCacioppoのパラダイム(*18)に基づいている。Petty & Cacioppo(1979)においては問題関与、Petty, Cacioppo,& Goldman(1981)では個人的関与、Petty & Cacioppo(1986)では自我関与、問題関与、個人的関与を同じようにあつかって、個人的関連性(personal relevance)という語を使っている。 なお、個人的関与はC.W.Sherif(1981;C.W.Sherif et al.,1973)が自我関与という用語に対する誤解を避けるために使用している。社会的判断理論のものは価値関連関与である。

H製品関与(pruduct involvement, product class involvement)

 製品関与は「購買目標がないときに、リスクに基づかず、製品と個人の欲求・価値・自己概念との関連の強度によって生じる関与」である(Bloch, 1982)(*19)。製品によって関与が違うことはよく知られている。乗用車、家などの高関与製品から歯ブラシ、電池などの低関与製品の区分は一般に製品によって関与が異なることを基盤にしている。しかし、このことは製品関与が製品に付着していることを意味するのではなく、個人がそれぞれ関与しているものであり、製品に対する関与のことである。ただし、関与の平均値に大きな違いがあるので、製品によって関与を操作することは間違いではない(*20)。

I認知的関与(cognitive involvement)/J感情的関与(affective involvement)

 「ブランドの性能を強調する功利的動機から生じる」のが認知的関与であり、「実際の自己像や理想の自己像を表現する側面に情緒的に美的にアピールする価値表出的動機から生じる」のが感情的関与である(Park & Young,1986)。Park & Mittal(1985)、および彼らが共著者となっているZaltman & Wallendorf(1983)において2つの関与による処理方式の違いを詳細に論じている。基本的に認知的関与は論理的、分析的処理をし、感情的関与はアナロジー的、全体的処理をすると仮定している。この考え方は態度の機能論(Katz, 1960)から来ているものである。態度、動機、関与に関係する微妙な問題にかかわっている。

 社会心理学においても消費者行動論においても関与概念の混乱が見られる。消費者行動論においてもっとも重要な関与の区別は永続的関与と状況関与である。永続的関与と状況関与については、不安についての特性不安と状態不安(清水・今栄,1981)についての考えと同じである。小嶋ほか(1985)は製品関与を特性関与、広告関与を状態関与と考えることができると述べている。永続的関与が特性関与であり、状況関与が状態関与である。永続的関与は長くつづくもので、自我関与、製品関与がこれにあたる。状況関与は一時的なもので、コミュニケーション関与、広告関与、購買重要性などがこれにあたる。とくに永続的関与の製品関与と状況関与の購買関与が消費者行動論において重要である。自我関与の概念は永続的関与と近いと思われるが、永続的関与の影響は状況関与よりも小さいという研究がいくつかでている(Richins & Bloch,1986; Celsi & Olson, 1988)。高製品関与という事態よりも高購買関与という事態は多くある。また、購買関与のほうが変動が大きい可能性があるので、状況関与の問題は消費者行動の研究において重要である(*21)。

 関与の定義という問題が残っている。Tybejee(1979b)、青木(1987b,1988)にあるようにさまざまな定義がある。製品関与にしぼっていうと、2つのタイプの定義がされている。1つは、製品またはブランドに結びついている価値の数、関連性、および中心性である。もうひとつは覚醒である。覚醒に関してさまざまな定義がされている。例えば、Park & Mittal(1985)は関与を目標志向の覚醒容量と定義している。2つのタイプの定義から示唆される点については稿を改めて検討する。

 もう一つ製品関与とは違う定義を挙げる(*22)。反応から定義する方法である。Gardner, Mitchell,& Russo(1985)は注意と処理方略の両者が関与を決定するとしている。同じ注意を向けていてもブランドに処理を心がけているブランド方略ならば高関与、ブランドではなく製品クラスの処理に心を向けている非ブランド方略なら低関与となる。注意を向けていないのも当然低関与となる。Gardnerらは直接に処理方略を教示している。Houston & Rothschild(1978)の用語では処理方略は反応関与になる。しかも、ブランド方略と非ブランド方略はHoward(1977)の3つの問題解決のタイプのうち限定問題解決と広範問題解決にそれぞれ強く関係している(*23)。情報処理の問題は別の稿において取り上げる。

 理論的側面を中心に関与の分類とその定義を示した。理論から多くの実験調査研究がでてきている。次に実験調査研究の関与の測定および分類について吟味する。

2.関与の測定

 関与の高低を教示などで実験的に操作するということは社会心理学においては一般的なことである。例えば、鏡がある群と鏡がない群をつくって関与を操作する。消費者行動研究においては、実験的操作は主として広告の研究においてなされている(*24)。消費者行動研究においては、関与を実験的に操作するという試みよりも、関与を測定しようとする試みが発展している。関与を意識的に測定したのはKrugman(1967)が最初といってよい。Krugman(1967)は当時は命名されていなかった認知反応法を用いて、広告への関与を測定している。彼は同時にリッカート法による測定もしているが、関与をうまく測ることができないといっている。その後、多くの測定法が使われているが、代表的なものは次のものである。

@SD法、リッカート法などの評定法

 製品などの関与を「関心がある−関心がない」などの尺度上において評定させる。

 Zaichowsky(1985b)他多数(3.参照のこと)。

A認知反応
広告を見てそこで考えたことを並べて書いていく。その反応を関与に関係ある反応かどうか分類し、反応数から得点化する。分類の基準はいろいろある。例えば「わたしは…」「私の…」という反応を数える。認知反応で関与を測定する場合と関与を操作して、認知反応の別の側面を測定する場合とがある。後者の場合は関与の測定にはならない。
Krugman(1967),Alwitt(1983),Cushing & Douglas-Tate(1985), Gardial & Biehal(1985),Gutman & Reynolds(1986)

B自己カテゴリー(Sherif の受容・中立・拒否の範囲)

 Sherifら(C.W.Sherif et al.(1965)など)の意見の受容、中立、拒否の範囲に対応し、ある製品クラスの特定ブランドの受容、中立、拒否の範囲・率から関与の程度を割り出す。
Lastovicka & Gardner(1978),Harrell(1979),Newman & Dllich(1979),Slama & Tashchian(1983), Zinkhan & Muderrisoglu(1985), Ohanian(1989)

C使用属性/受容属性の範囲(消費者関与行列)

 自己カテゴリーの範囲にならっている。ブランドを選択する際に使用している属性(例えば、金額など)の数とその属性のなかで許容する範囲(例えば、1万円〜2万円)を同時に考慮する。反応関与が高い場合は、使用する属性の数は多いが、受容する属性の値は少ない。(使用属性数)/((全受容属性値数)/(全属性値数))によって計算される。
Rothschild & Houston(1977,1980,1986),Arora(1985),Belonax & Javalgi(1988),

DBuchanan(1964)の関与の相対測度

 ある製品クラスの個々の製品を3つ並べどれが、一番好きで、どれが一番嫌いかを指摘させる。いくつもの組み合わせについても判断させ、製品のランク付けをする。
Zinkhan & Muderrisoglu(1985),Zinkhan & Fornell(1989)

E階層的手続きによる決定

 実際の実験には使っていない。一定の判断基準を設定し、どのレベルの関与かを決定するフローチャートをつくる。
Rothschild(1975)

F消費価値の重要性評価と広告の価値表現評価の一致度

 消費価値の重要性評価と広告価値表現評価が一致していれば関与が高いとする。
Sherrell & Bush(1984)

G脳波

 注意していると脳波のα波が消える(α波阻止)ことを利用して関与の程度を測る。
Krugman(1971), Rothschild et al.(1986)


 この他にグラフ法(Ohanian,1989)がある。

 関与の測定法はそれぞれの関与に対する考え方から作り出されたり、採用されたりしているものである。現在測定法としてもっとも多い、評定法による関与尺度の評定法、認知反応法(例.Petty,Ostrom,& Brock,1981;Hastak & Olson,1989)、自己カテゴリー法(例.Slama & Tashchian,1983) 、消費者関与行列(例.Rothschild & Houston 1986)、脳波(例.Rothschild et al. 1986)については妥当性の検証がおこなわれている。これらは、それぞれの長所をもつが、いずれも絶対によいという方法とはいえない。

3.関与尺度

3.0.従来の尺度化の概観

 関与を尺度化するとき、関与とは何かという問題と密接に関係してくる。関与の尺度化は、単純に1項目で関与を決めるものから、尺度化の基準に則っているものまで様々ある。全体を大きく分けると、関与を1つの因子にするものと、複数の因子に分けるものとある。

 関与を測定する尺度としていくつかのパターンがある。
@どの製品、どんな場面でも適用できるような一般関与尺度をつくる(例.Zaichkowsky,1985)
Aどんな製品にも適用できる尺度(例.Laurent & Kapere,1985/86)
Bある製品についての関与尺度をつくる。(例.Bloch,1982)
C購買場面についての尺度をつくる。(例.Mittal,1989b)

 関与はさまざまな概念と関係があり、関与を中心に考えたとき、あまりの多くの概念や現象を含めようとする傾向がある。尺度を作成するときにもその傾向がある。

3.1.単一因子


表1 関与1因子尺度
研究者項目数コメント(→はその尺度を利用した研究者)
1因子(妥当性確認済み)
Bloch(1982) 8項目 
5項目
(Bloch, 1981) 乗用車
ファッション  クロンバックのα
Slama & Tashchian(1983) 9項目拒否範囲、リッカート法、SD法各3項目 LISREL
Oliver & Bearden(1983) 9項目 Bloch(1981)のBloch(1981)の9項目,クロンバックのαと再テスト信頼性
Traylor & Joseph(1984) 6項目因子分析 22項目より選択
Zaichkowsky(1985b) 20項目 SD尺度 因子分析 妥当性チェック
→Zaichkowsky(1985a,1987),Celsi & Olson(1988),Thorson & Page,Jr.(1988), Ram & Jung(1989), Celuch & Evans(1989),Brisoux & Cherou(1990), Jain & Srinivasan(1990),Cole et al.(1990)
Zinkhan & Muderrisoglu(1985) 5項目 LISRELで熟知度、認知的分化と違う
Slama & Tashchian(1985) 33項目 購買関与
→Slama, Williams,& Tashchian(1988)
Richins & Bloch(1986) 9項目持続性関与はBloch(1981)の9項目 クロンバックのα係数
→Richins & Root-shaffer(1988)
Ratchford(1987) 3項目 他に思考尺度(2項目)、感情尺度(3項目)  主として情報処理
→Jain & Srinivasan(1990)
Mittal(1989b) 4項目購買意志決定関与
Ohanian(1989) 10項目リッカート法、SD法各(5項目)自我中心性
他にHupfer & Gardner(1971)のグラフ評価、修正自己カテゴリー法) 自我中心性
その他1因子(尺度化ではない)
Krugman(1967) 6項目 自我関与 測定したが採用しなかった。認知的反応を採用
Bowen & Chaffee(1974) 7項目SD尺度 製品分化中心 関与操作の確認
Tigert, Ring,& King(1976) 5項目
6項目
ファッション関与指標(択一)
ファッション関与因子
Tigert, King,& Ring(1980) 5項目 ファッション
Berger(1986) 3項目 相関分析 他に感情尺度、思考尺度各3項目 重要・リスク・ 思考量
日本経済新聞社(1989)13項目衣服関与因子
Hastak & Park(1990) 3項目(関与・集中・注意) メッセージ反応関与(MRI)
1項目測定
Sawyer(Ray,1973に引用) 知らない反応
Lastovicka(1979) どちらににているか(広範問題解決と習慣問題解決)購買関与
→Saegert & Young(1983)
Traylor(1981) 製品の重要性評定
Batra(1985) 製品の重要性評定
Arora(1985) 店舗属性の重要性評定の合計
Bolfing(1988) 意志決定に費やした時間と努力(4段階)
* 複数項目を試用し,妥当性チェックをしているか,妥当性チェックをした尺度を部分的に借用したもの.

(1)一般尺度

 関与を単一因子とする研究の代表的なものはZaichkowsky(1985b)である。主としてPark & Mittal(1985)のいう認知的関与の項目20からSD尺度を作成している(*25)。なお、Zaichkowsky(1987)では、関与に認知的側面と情動的側面のあることを認め、情動的側面を加えて検討している。認知的側面が1985年の尺度であり、情動的側面はその1項目である、「興奮する−興奮しない」を使用している。表3にあるように関与尺度の中でZaichowskyの尺度はもっとも広くの利用されている。

 Traylor & Joseph(1984)はリッカート法による22項目を因子分析した結果から6項目からなる関与尺度を作成している。残った6項目は主として印象関連関与から構成されている。

 Ohanian(1989)の自己中心性尺度もSD法の5項目の1因子尺度である。1項目を除いてすべてZaichowsky尺度に含まれているものになっている。

 その他の一般因子のものとして、Krugman(1967)は6項目のリッカート尺度を作成しているが、信用のおけないものとして項目あげているに留まっている。Bowen & Chaffee(1977)は7項目SD尺度を使用しているが、関与の操作の確認に用いているだけである。Hastak & Park(1990)は関与、集中、注意の3項目からメッセージ反応関与を測定している。 1項目の使用としては、Sawyer(Ray(1973)から引用)の「知らない」反応、Traylor(1981),Batra(1985)の製品の重要性評定がある。

(2)製品別尺度

 Bloch(1981)は乗用車関与の17項目を因子分析し、6因子を見いだしている。その結果を合計し、乗用車関与尺度を作っている。Bloch(1981)の乗用車関与尺度の項目を使ったものにBloch(1982)(8項目)、Oliver & Bearden(1983)(9項目)、Richins & Block(1987)(9項目)、Richins & Block(1988)(11項目)がある。これらの関与尺度は永続的関与を測定するものとして使用されている。Blochのパラダイムでは永続的関与の他に状況関与を想定しているので、厳密な意味での1因子の考え方ではない。なお、Block(1982)ではファッション関与(5項目)も使われている。

 Tigertら(1976)はライフスタイルの1因子として6項目からなるファッション関与因子および択一式の5項目からなるファッション関与指標を使用している。また、日本経済新聞社(1989)は関与尺度をつくる目的ではないが、衣生活意識項目28項目を因子分析した結果13項目の衣服関与因子を抽出している。

(3)購買関与

 Berger(1986)はFCBの格子の関与、思考・感情の測定項目を明らかにしている。そこでは3項目で関与尺度を構成している。相関分析の結果、関与が思考項目とつよく関係していることをしめしている。同じくFCBの格子を作成をしているRatchfort(1987)は試行錯誤の上、「非常に重要な決定/まったく重要でない決定」、「決定にはたくさん考えなくてはならない/決定にほとんど考えることはない」、「誤ったブランドを選ぶと失うものが大きい/誤ったブランドを選んでも失うものはほとんどない」という関与の3項目を決定している。FCBの問題はほとんど購買関与および購買意思決定のスタイルに関係するものである。永続的関与とは違っている。2番目の項目はS−O−Rパラダイムの反応関与である。FCB格子では、関与とは別に思考尺度と感情尺度(*26)をつくっているが、これはは認知的関与、感情的関与と呼ばれているものである。その意味で関与1因子説とはいいにくい。

 Slama & Tashchian(1985)は33項目を使用した購買関与因子を作成している(*028)。この尺度は佐々木(1988)の購買態度(*40)に似ている。単一因子を測る尺度として33項目は多すぎるし、多様な因子が含まれている可能性がある。Mittal(1989b)は、Slama & Tashchianの購買関与因子は永続的関与であると批判し、4項目の購買意思決定関与を作成している(*27)。

 1項目尺度としては、Lastvicka(1979)の尺度がある。広範問題解決タイプの消費者と習慣問題解決タイプ消費者の例を示し、どちらに似ているかを聞いている。この質問は購買関与であるが、同時にS−O−Rパラダイムの反応関与の典型尺度である。

(4)複数手法による尺度評価

 Slama & Tashchian(1983)は関与の測定法として拒否範囲、リッカート法、SD法5項目を3製品での測定をLISRELで分析している。拒否範囲の方法はリッカート法、SD法と結果が大きく違っている。ここで使用した製品と項目ではSD法がもっともよい方法である。Ohanian(1989)は、自我中心性の因子を検討するため、SD法、リッカート法各5項目、グラフィック法、修正自己カテゴリー法を3製品において測定し、LISRELで分析している。結果は1因子が有効で、特性への寄与からSD法がもっとも有効であり、リッカート法までは利用可能としている。修正自己カテゴリー法とグラフィック法は尺度として不適切であるとしている。

 Zinkhan & Muderrisoglu(1985)でもLISRELを使用して分析している。関与の測度としてリッカート法3項目、Krugman(1967)の1分当たりの個人的結合数を操作化したもの、Buchanan(1964)の関与の相対測度(*28)を関与の尺度として、関与と再生、熟知度、認知的差違と別のものであることを示している。

3.2.複数因子


表4 関与多因子説の研究
研究者項目数 因子数 分析対象 コメント
(2段目)因子名
(3段目)→利用研究者
Lastvicka & Gardner(1979) 22項目3因子 ビール等11製品
熟知度(知識)、ブランドコミットメント、規範的重要性(製品関与)
→Gill, Grossbart,& Laczniak(1988)
Tyebjee(1979) 13項目3因子 ビール
製品関連関与、課題関連関与(感覚関与・認知的関与)
Parkinson & Schenk(1980) 11項目3因子  運動靴等4製品
場面関与(結果)、持続性関与(経験・自我関与)
Bloch(1981) 17項目6因子  乗用車
ドライブと車使用の楽しさ、車について他人に話す、自動車レース活動への興味、自分の車による自己表現、自分の車への愛着、車への興味
Arora(1982) 各4,4,5項目 大学
場面・持続・反応 SD法、リッカート法 LISREL
Korgaonkar & Moschis(1982) 9項目4因子 (結果に問題あり、固有値が合わない)ソフトドリンク・ラジオ
製品分化、熟知度、コミットメント、重要性
Shimp & Sharma(1983) Block(1981)の追試 17項目3因子 乗用車 LISREL
情緒的・個人的関与、社会地位関与、対人関与
Beatty & Smith(1983) 13項目4因子  老人ホーム LISREL
製品関与(3)、持続性関与(4)、場面緊急性関与(4)、場面財政性関与(2)
Smith & Beatty(1984) 5因子→3因子 白黒テレビ・ビデオ・パソコン
持続性関与(価値中心性・購買態度)、製品関与(重要性・リスク)、場面関与
小嶋ら(1984,1985) 16項目3因子 8電化製品(1984) 歯磨き等14製品
感情的関与、認知的関与、ブランドコミットメント
→杉山(1987)、堀(1989)
Kapfere & Laurent(1985,1985/86) 16項目5因子 電池等20製品
関心、快楽、価値、記号、リスクの重要性、リスクの確率
→Jain & Srinivasan(1990)(改訂版)
Laurent & Kapfere(1985) 19項目4因子 ドレス等14製品
快楽、記号、リスクの重要性、リスクの可能性
→Celuch & Evans(1989),Jain & Srinivasan(1990)(改訂版)
McQuarrie & Munson(1987) 14項目3因子 SD法 乗用車等24製品
Zaichowsky(1985a)とLaurent & Kapfere(1985)をもとにしている
重要性、快楽、リスク
Jain & Srinivasan(1990)
Slama & Tashchian(1987) 13項目3因子 シャンプー LISREL
場面因子(4項目)、永続的関与(4項目)、反応関与(5項目)
青木(1987C) 8項目2因子 家庭用AV製品 LISREL
感情的関与(4項目)、認知的関与(4項目)
青木ら(1988) 22項目5因子 シャンプー他
ブランドコミットメント、製品関与、購買関与(情報処理関与)、変化探究、 非計画購買(衝動買い)
ブランドコミットメント、製品関与、購買意思決定関与、 バラエティーシーキング、売り場状況依存性
中山・清水(1988) 7項目3因子
ブランド間差違、変化探究、他人の銘柄への無関心
Beatty, Kahl,& Homer(1988) 9項目3因子 ソフトドリンク LISREL
自我関与・購買関与・コミットメント(反応関与の1種)
Mittal & Lee(1988) 25項目8因子 パソコン・フードプロセッサー・ビデオ LISREL
  Laurent & Kapfere(1985)をもとにする
(製品関与・ブランド選択関与)×(重要性・リスク・記号価値・快楽価値)3因子
Pucely,Mizerski & Perrewe(1988) 26項目3因子(5因子) 音楽
持続性関与、行動関与(能動・受動)、経験関与(感覚・分析)
Higie & Feick(1989) 10項目2因子 パソコン・芝かり機
  Zaichkowsky(1985)を基にしている。
  快感関与、自己表現関与
→Jain & Srinivasan(1990)
Jensen,Carlson,& Tripp(1989) 22項目4因子 ブルージーンズ・シャンプー・運動靴
  Lastvicka & Gardner(1979)の追試
重要性、知識、ブランド選好、コミットメント
Venkatraman(1989) 13項目2因子 LISREL パソコン・フードプロセッサ・ビデオデッキ
  持続性関与(6項目)、道具的関与(7項目)(リスクの回避の重要性?)
Jain & Srinivasan(1990) 15項目5因子 49項目より抽出 ラジオ等10製品
→Zaichkowsky(1985),Kapfere & Laurent(1985,1985/86),Ratchford(1987), McQuarrie & Munson(1987),Higie & Feick(1989)の尺度を使用
関連性、快楽、記号、リスク重要性、リスク可能性
Zaichkowsky(1985b)*2因子
関連性・重要性,快楽
Kapfere & Laurent(1985/86)*4因子
関心・快楽,記号,リスク重要性
Ratchford(1987)1因子
McQuarrie & Munson(1987)*3因子
快楽,重要性,リスク
Higie & Feick(1989)2因子
快楽,記号
*マークはもとの因子とは異なる結果が生じたもの.

(1)知情意型因子関与

 知情意は態度の構造論にもとづく分類である。

 Lastvicka & Gardner(1979)は関与を尺度化しようとする先駆的研究である。彼らは個人差・製品差・項目差を同時に考慮した3相因子分析の結果、項目に3因子を認めた。それぞれ熟知度、コミットメント、規範的重要性と命名している。その内容はそれぞれ、製品知識、ブランドコミットメント、感情的関与(ブランド使用または所持の感情的高まり)に対応して、それぞれ、知、意、情である。Gill, Grossbart,& Laczniak(1988)は同じ尺度を使用し、通常の因子分析(バリマックス回転)をし、同一の3因子を見いだしている。Gill et al.(1988)の3因子の相関は.09、.13、.22と少ない。Jensen, Carlson,& Tripp(1989)もLastvicka & Gardner(1979)と同じ項目尺度を用いてブルージーンズ、シャンプー、運動靴を分析している。通常の探索的因子分析において5因子、規範的重要性、ブランド/製品特性に対する熟知度、選好に結びつく熟知度、製品重要性、コミットメントの5つである。熟知度および規範的重要性がそれぞれさらに2つに分かれている。彼らは次に、LISRELにより確認的因子分析をし、4因子が妥当であることを導き、それぞれの因子を重要性、知識、ブランド選好、コミットメントと命名している。因子間の相関は.27〜.42と弱い相関がある。

 Lastkova & Gardner(1979)と同様の因子を抽出しているものに小嶋ら(1985)の尺度がある(*33)。小嶋ほか(1985)は因子分析の結果、感情的関与、認知的関与、ブランドコミットメントの3つの側面があることを明らかにした。小嶋らの尺度では極めて高い相関がある。堀(1988)のデータの再分析では、LISREL VIIによる確証的因子分析の因子間に.7以上の高い相関がある。なお、この因子も情、知、意に対応している。

 そのほかに、この知情意パラダイムには入りにくいが、2つの研究を挙げておく。Korgaonkar & Moschis(1982)は、9項目から製品分化、熟知度、コミットメント、重要性の4因子を抽出している。因子分析表からすると因子負荷量の2乗和と固有値の間に大きな差があり、疑問である。中山・清水(1988)は7項目からブランド間差違(リスク)、変化探究、他人のブランドへの無関心の3因子を抽出している。この2つはともに少ない項目から多くの因子を出している。因子モデルを設定した確認的因子分析なら許容される可能性があるが、探索的因子分析の手法でこのような因子を抽出するのは多いに問題がある。

(2) S−O−Rパラダイムの関与

 S−O−Rは新行動主義のパラダイムである。

 Parkinson & Schenk(1980)はHouston & Rothschild(1978)のS−O−Rのパラダイムに基づき、反応関与をはずした11項目を使用し、状況関与(結果)、永続的関与(経験・自我関与)の3因子を出している。Arora(1982)もS−O−Rパラダイムに則っている。SD法(両極法)、ステープル法(単極法)、リッカート法を使って、大学選択に関する状況関与、永続的関与、反応関与の項目を作成し、LISRELにより確認的因子分析を行なっている。実際の項目および項目数の合計は銘記されていない。内部一貫性以外は各関与の各尺度法別の合計点が分析の出発点になっている。結果は状況関与、永続的関与、反応関与の因子が抽出されている。そして、SD法、ステープル法、リッカート法のどれをつかってもかまわないことを示した。Slama & Tachchian(1987)はS−O−Rパラダイムを疑問視するなかで、シャンプーについての永続的関与、持続性関与、反応関与の各4項目計12項目を使用した(*29)。LISRELによる分析の結果3因子を確認している。LISRELの結果は永続的関与を介さずに状況関与から直接反応関与へとパスが通っていることを示すものであった。

 HoustonとRothschildのパラダイムを参考にしているものにSmith & Beatty(1984)があるが、S−O−Rのパラダイムをとっていない。

 S.B.Beatty & Smith(1983)は、製品関与、永続的関与、場面緊急性関与、場面財政的関与の4因子を作成し、LISRELを使用し他の要因との関係を確かめている。これを発展させ、Smith & S.E.Beatty(1984)は大きくは永続的関与と製品関与、状況関与の3つの関与に分け永続的関与のなかに価値中心性(従来の自我関与)と購買関与の2つに分け製品関与を製品重要性と性能リスク(製品間差)に分けている。因子分析により内部一貫性、弁別的一貫性についての検討をしている。尺度全体の構成はHouton & Rothchild(1977)に依拠しながらも反応関与は関与の状態であるので入れていない。S.E.Beatty & Smith(1987)では1984年の枠組みを一部つかいながら購買関与ショッピング態度、自我関与の2つの因子を抽出している。SmithとBeattyの一連の研究は関与の因子がそれほど安定したものでないことを示している。

 青木ほか(1988; 青木, 1990)は低関与事態を強く考慮して、小嶋ほか(1985)から新たな展開をしている(*35)。青木ほかはブランドコミットメント、製品関与、購買意思決定関与、バラエティシーキング(変化探求)、売り場状況依存性の5因子を抽出している。売り場状況依存性因子は、衝動買いのように非計画購買を意味する。青木ほかは小嶋ほか(1985)の認知的関与の項目を取り除いている。この因子は既に知情意型因子から逸脱して、意思決定である反応関与に強く尺度になっている。

 青木(1987c)は認知的関与・感情的関与をそれぞれ、4項目でつくり、購買決定の満足度、知覚リスク、処理能力変数とともに情報探索性向をLISRELを使って予測している。モデルの適合度が悪く、因子として不満であることを示唆している。ここでの認知的関与も意思決定関与といえるものである。

 S−O−Rパラダイムの研究は、明確な仮説の元に尺度づくりしているものがほとんどである。明確な仮説をもつため、共分散構造モデルのLISRELを使用した分析が主流となっているのも特徴的である。

(3) 機能別関与

 態度の機能論にそった形の因子を抽出しているものを機能別関与という。Laurent & Kapferer(1985)系の研究が中心である。明確に機能論の立場にたった関与研究は実験操作で行っている場合のがほとんどである。

 Laurent & Kapferer(1985)は、快楽、記号、リスクの重要性、リスクの可能性の4因子を挙げている。同一著者のKapferer & Laurent(1985,1985/86)では、興味、快楽、記号、リスクの重要性、リスクの可能性の5因子を挙げている(*36)。Mittal & Lee(1988)はLaurent & Kapferer(1985)を拡張して、知覚した重要性、知覚したリスク、記号価値、快楽的価値にそれぞれ製品水準とブランド選択水準があり、合計8つの関与があるとしている。分析手法としては確認的因子分析を使用している。McQuarrie & Munson(1987)はZaichkowsky(1985b)のSD尺度をLaurent & Kapfere(1985)のように拡張して重要性、快楽、知覚したリスクの3下位尺度を含む16項目のSD法による関与尺度を作っている。McQuarrie & Munsonの最初の設計では記号的価値の側面を想定していたが、因子分析の結果はうまく抽出できなかった。Celuch & Evans(1989)はZaichkowsky(1985)の尺度と同時にKapferer & Laurent(1985)の尺度の妥当性をチェックしている。電卓とティッシュペーパーをそれぞれ高関与、低関与製品としている。高関与製品ではZaichkowsky尺度との相関は興味、快楽、リスクの重要性においてある。低関与製品では興味、快楽、自己像、リスクの重要性のすべてにおいて有意な相関があった。情報処理の確信、革新性、製品への態度、購買行動への態度との関係から妥当性を探っている。(Kapferer & Laurentの尺度をどのように作成したか不明である)。Higie & Feick(1989)はZaichkwosky(1985)を基にして10項目から快感関与と自己表現関与を抽出している。

(4) 製品クラス別の関与

 Bloch(1981)は乗用車を対象とし、17項目から6因子を抽出している。それぞれ、ドライブと車使用の楽しさ、車について他人と話す、自動車レースへの興味、自分の車による自己表現、自分の車への愛着、車への興味の6つである。Blochは6因子を合計して乗用車関与として使っている。Shimp & Sharamaは同じ項目を用い、確認的因子分析をし、情緒的・個人的関与、社会地位関与、対人関与の3因子が妥当であることを示した。Oliver & Bearden(1983), Richins & Bloch(1986,1988),Richins & Root-Shaffer(1988)はBlochの尺度から8〜11項目取り出し、永続的関与として使用している。Blochの考えでは製品ごとに関与の尺度を考えなくてはならない。

 Pucely et al.(1988)はレコード音楽に関して、5つの指標を作成し、その有効性を検証している。尺度は永続音楽関与、能動的行動関与、受動的行動関与、感覚関与、分析的関与の5つ、大きくわけると永続的関与、行動関与、状況関与(感覚関与・分析的関与)の3つである。行動関与は内部一貫性が低く安定していない。

 Tyebjee(1979)はビールについて分析し、製品関連関与が1つと課題関連関与に感覚関与と認知的関与の2つ合計3つの因子を見いだしている。感覚関与は快楽関与といってもいいものである。これは機能別関与に対応している。

 製品別に関与をだすのはベネフィットセグメンテーション(Haley, 1985)の考えにつながっている。堀(1989)のように、関与を量的なものベネフィットを質的なものととらえる立場からは、このような研究は関与研究というよりもベネフィット研究になる。しかし、関与を多因子としてとらえるならば、このように1つの製品ごとに丁寧に研究していくことも重要である。

表5 関与と従属変数(基準関連妥当性チェック項目)
研究者従属変数
関与全体の効果
Tyebjee(1979) 判断反応時間
Parkinson & Schenk(1980)反応関与(消費者関与行列)
Traylor & Joseph(1984) 購入頻度(高中価格耐久品、低価格耐久品)、選択性
Slama & Tashcian(1985) 家族のライフサイクル、教育、収入、性、主婦の労働、民族
Zaichkowski(1985) 情報探索、代替物評価、ブランド間差違知覚、ブランド選好、購入場面差
Zaichkowski(1988) 間接的属性評価、直接属性評価、属性再生
各下位関与要因の効果の差の検出
小嶋他(1984)  製品属性の再生、ブランド間差異知覚
Laurent & Kapfere(1985) 広範意志決定、恒常的情報収集、記事・テレビへの関心、広告を見る
McQuarrie & Munson(1987) ブランドコミットメント、ブランド間差異知覚、情報探索と選択の複雑さ
Mittal et al.(1988) 使用頻度、知覚したブランド差、ブランドコミットメント 、ブランド比較、記事への関心、広告への注意
McQuiarrie & Munson(1987)ブランドコミットメント、ブランド間差違、情報探索と選択の複雑さ
Pucely et al.(1988) 注意、情緒、購入意図
Higie & Feick(1989) 情報探索、情報供給、オピニオンリーダーシップ
Jain & Srinivasan(1990) 情報探索、ブランド間差異知覚、ブランド選好

(5)関与因子の関係

 多くの関与因子が生じたためそれを統合しようとする研究がある。

 Jain & Srinivasan(1990)はZaichkowsky(1985)、McQuarrie & Munson(1987)、Ratchford(1987)、Higie & Feick(1989)およびKapfer & Laurent(1985,1985/86)の最新版の英訳の項目を使用し、斜交因子分析それぞれの因子の確認と新しい因子の抽出を行っている。ZaichkowskyのPII尺度は関連性/重要性と快楽の2因子、McQuarrie & MunsonのRPIIは快楽、重要性、リスクの3因子、RatchfordのFCBの関与尺度部分は1因子、Higie & Feickの項目は快楽と記号の2因子、Kapfer & LaurentのPIは興味/快楽、記号、リスク可能性、リスク重要性の4因子をそれぞれ抽出している。もとのままの結果はRatchfortdとHigie & Feickの因子だけである。全体を因子分析し、新たに関連性、快楽、記号、リスク重要性、リスク可能性の5因子を抽出し、各3項目の新たな尺度をつくっている。

 Zaichowsky(1990)はこのような寄せ集めただけで、関与因子をつくることはできないといっている。しかし、それぞれ主張が違う中で、どのようになっているのかは知りたいところである。結果的には、機能論因子優勢ということになっている。因子分析の結果は項目収集の段階でほぼ決まっているといって良い。その意味で、サンプリングがしっかりできているか、仮説がしっかりできているかが重要である。Zaichowskyの批判はその意味で正しい。

 知情意型因子を抽出するタイプの研究は探索的因子分析を主力としており、項目のサンプリングに配慮がされている。S−O−Rパラダイムの研究は仮説設定が重要で、仮説に基づいた項目収集をして、LISRELを使った強力なモデルチェックを行っている(*30)。機能論に基づいた研究は項目は仮説に基づいて集めているが、データ解析は探索的因子分析になっていて、中途半端な分析に終わっている。また、元の仮説因子がなかなか抽出できないでいるのも、まともなモデルなしに仮説因子をつくっていることを意味している。

 購買関与の多因子型は自らそのように宣言している研究例はない。しかし、1因子のRatchfort(1987)は関与、感情尺度、思考尺度は購買関与の2つの次元を示している。また、佐々木(1988)は購買態度としているが、合理性と情緒性は購買関与のタイプ分けと見ることもできる。同様にして、電通マーケティング戦略研究会の感性度、理性度も購買関与と見ることができる。ただ、このように購買態度を関与として考えて意味があるかは検討すべき問題である。
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 関与のS−O−Rパラダイムは、状況と個人の傾向性が反応を決定するという考えである。関与の規定因として状況と個人があり、関与事態の結果として反応があり、反応は情報処理の複雑さである。S−O−Rパラダイムでは、関与関連の概念をすべて関与と言ってしまっている。それに対し、知情意型関与の概念は、個人内に生じるものとして関与をとらえている。関与が生じたときにあるべきものとして、知の側面、情の側面、意の側面をとらえている。場面による差という側面にはほとんど切り込んでいないという意味で永続的関与にのみ関係している。この2つは行動主義と認知主義の対立となっている。 これに対し、機能論のとらえ方は、動機に基盤を置くものであり、人間の外、内の考え方が明確ではなく、すべてを人間の内的なものにしてしまっている。状況から生じるリスクの側面は認知的なもの、個人の内的な重要性は、感情的なものととらえられている。そのため、永続的関与としての製品関与と購買課題が生じたときとの状況関与としての購買関与を特に区別することなく測定している。つまり、購買関与の先行因と考えられる、リスク要因(リスクの重要性とリスクの可能性)と製品関与の先行因と考えられる快楽、記号の位置づけの問題である。重要性、興味が両方に関する項目になるが、リスクの重要性と同一になってしまったり(Laurent & Kapferer,1985)、快楽と同一になったり(Jain & Srinivasan,1990)している。特に、Jain & Srinivasan(1990)の全項目の因子分析において、「重要」は関連性・重要性因子に「関心がある」は関心・快楽因子に負荷が大きい。重要が功利的側面を、関心が感情的側面を現している。important(*38)は第一義として重大であるので、リスクの側面が強くなる。どちらかというと、重要は購買関与、関心が製品関与と関連するものであり、それぞれ認知的関与、感情的関与である。重要性の項目・関心の項目を複数準備し、これらを別の因子として抽出できる可能性を作っておく必要がある。Jain & Srinivasanの因子分析では、認知的関与に関連するものとして関連性・重要性以外にリスクの重要性、リスクの可能性の因子が抽出され、感情的関与に関連するものとして、関心・快楽以外に記号・象徴の因子が抽出されていることは注目するべきである。認知的関与と感情的関与の一般因子と特殊因子の関係のようであるが、今後のLISRELのような潜在構造モデルの解析、および基準関連妥当性の検証が必要である。機能別尺度がこのように多様な面をもっているため、Jain & Srinivasanの因子分析において機能別因子が優位になったと考えられる。
--------------------------------------------
 関与の尺度化はいろいろと行なわれているが、現在のところ統一的見解はない。関与とはなにかを再び考えるのには経験的事実と理論的考察の両面がなければならない。

4.消費者行動研究にとっての関与

 関与の定義、関与の尺度はさまざまあることを概観してきた。関与は単一のものかどうかわからないが研究分野によって関与のどの側面が重要になるか異なってくる。購買意思決定が重要ならば、状況関与とくに購買関与の程度とそれを補足する製品関与である。広告の情報処理を重視するなら、広告関与である。製品に対する愛着を重視するなら製品関与である。

 関与の問題は主として2つにわかれる(*31)。一つは永続的関与であり、製品関与がその代表である。もう一つは状況関与であり、購買関与が代表である。購買関与が状況関与だけかというとそうではなく、一般的に購買そのものに関心をもっている層がある。それを尺度化したのがSlama & Tashchian(1983)である。また、購買関与に2側面、感情的関与と認知的関与をとりだしたのが、佐々木(1988)、電通マーケティング戦略研究会(1985)といえる。一方、購買場面に直面した時の、意思決定について考慮しているのが,事前思考(Groenveld, 1964)である。Groeneveldは,事前思考の程度を価格,購入頻度、大きさ、製品寿命(腐敗・損傷、スタイル旧式化)から割り出している。事前思考は、客観的指標からきまるものだから、購買場面という状況関与に関するものであるで、永続的関与とは関係しないものである。狭い意味での購買関与の客観的指標ということができる。また、主観的側面からの取り組みは、知覚的リスクにある。知覚的リスクは機能論的関与尺度にに取り込まれている。
 ところで、購買前に情報処理にだけでなく、その製品クラスに対しても関心が高まっているが、購入すると一挙に関心がさめることも日常経験することである。このような現象は、特に家庭電化製品のテレビや冷蔵庫においてよくある。このことは購買関与がいかに大きいかを示している。従来の商品分類にあてはめて考えると、買い回り品は購買という状況関与によって強く影響されるものであり、最寄り品は購買という状況に影響されず常に低関与であるものといえる。また、専門品はいつも関与しており、永続的関与の高い商品といえる(*39)。
 一方、広告関与は特別の状況において関心のたかまりがある場合があるだけで、ほとんどが低関与のままであるということが重要である。広告関与はHouston & Rothschild(1978)の反応関与の一種である。広告そのものを関与として研究する場合は、広告関与ということばは有効であるが、その他のときは使用する必要はない。

 現在のところ、消費者行動研究における関与概念は因子分析による尺度構成が中心となっている。しかも、製品関与を中心とする尺度化が行われている。製品関与がそのまま購買関与であるかのごとく考えられたり、従来のマーケティング概念との関連や、関与の定義によって示唆される点はなにかという、関与について本質的ごろんなしに尺度化が行われている。関与とは何かもう一度とらえなおす必要がある。自我、コミットメント、熟知度、知識、情報処理、覚醒、自己、態度機能など自我関与と深く関わった問題が多くある。これらの点については別に考察する。



  表6.マーケティング概念と関与との関係
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            関与のタイプ

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 対象     状況関与        永続関与  
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製品   買い回り品/最寄り品    専門品
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購買   購入前考慮・購買関与    購買態度
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