アメリカで打つ讃岐うどん


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延ばし工程

 延ばし工程に入る前に作業台に打ち粉をしておく。麺棒にも少し粉をまぶしておくと良い。

★工程7

process21  寝かした団子を袋から取り出して、麺棒で「中央から外へ広げるように」厚さ1.5cmぐらいになるまで四角形に延ばす。(1)団子の中央に麺棒を当て、上へ向かって延ばし、(2)180°回転させ、また中央から上向かって延ばす。(3)今度は90°回して、やはり中央から上へ向かって延ばし、(4)180°返して上へ向かって延ばすと正方形になる。
 延ばし終えたら、生地の上にも少し打ち粉を振りかけておく。

★工程8

process22  ここから本格的な延ばし作業に入る。生地を3mm厚になるぐらいまで延ばす。正方形の4つの角と4つの辺=8方向へ順番に延ばしていく。
 (1)最初は、角が手前になるように置き、下から上へ麺棒に巻き付ける。

process23  生地を巻き付けた麺棒を、手前から上へ押し出すように押さえて回転させながら延ばす。1方向につき、3度ほどこれを繰り返す。
 延ばした後、生地を広げる。このときに生地同士、または生地と麺棒が剥がれにくいようであれば打ち粉をする。何の抵抗もなく広げることが出来れば打ち粉はしない方が良い(生地が硬くなってしまう)。以下の(2)〜(8)までの間も同じ。生地を広げにくくなったら打ち粉をする。

figure  (2)広げた生地を 180°回転させ、再び手前の角から上へ生地を巻き付け、同じ要領で、上へ押し出すように押さえて延ばす。(3)90°回転させて延ばす。(4)180°回転させて延ばす。これで4角が終了。
 (5)次に、生地を45°回転させて、正方形の辺にあたる部分を延ばしていく。やはり下から上へ巻き付け、上へ押し出すように延ばす。(6)180°回転させて反対側の辺も延ばす。(7)90°回転させて延ばす。(8)180°回転させて延ばす。
 これで、概ね正方形の3mm厚の生地にまで延びればOK。厚みにムラがあるようだったら、厚みのある方を手前にして、麺棒に巻き付け延ばし直す。

process24  通常は、これでうまくいくはずであるが、生地が硬く、うまく延びない場合は、水分が少なすぎるか、塩分が多すぎるので、次回から水を増やすか塩を減らすかして調整しよう。特に、中央部だけが厚くなってしまうような場合は、明らかに水分不足である。なお、この場合は、切り工程で薄くスライスすることでリカバリー出来るので、最初からやり直す必要はない。

切り工程

★工程9

process25  生地を延ばし終えた時点で、両面に十分な打ち粉をする。切っている途中で麺がくっつかないようにするためである。打ち粉をしたら、下を広く、上へいくほど狭くなるように3〜4段に折りたたむ。

★工程10

process26  包丁で 3mm 幅程度に切っていく。ゆでると太くなるので、直観よりやや細めに、割箸の先端ほどの太さをイメージしながら切ると良い。ある程度切ったら、台に強く叩きつけて、麺を広げると同時に、余分な粉を払い落す。麺は簡単に切れたりしないので、思いっきり叩きつけて良い。

ゆで工程

★工程11

process27  できるだけ大きな鍋(パスタ鍋のようなもの)にお湯を沸騰させ、麺をほぐし入れる。吹きこぼれない程度の火力で約12分ゆでる。(釜上げにする場合は10分で上げる)
 ゆであがった麺は、ざるに上げ、流し水で良く洗う。このとき、両手を使って麺同士を揉むように洗う。片手でざるに擦りつけるように洗ってしまうと、麺の表面に傷がつき、ツヤがなくなるので注意。
<冷やしうどん> 水を切ったら、皿に盛りつけ、つけだしで食べる。筆者がもっとも勧める食べ方。好みに応じて、ネギ・おろし生姜・揚げ玉・白ごまなどを加えて頂くと良い。(写真)
<かけうどん> 十分に水洗いしたうどんを、お湯に入れて温めて、どんぶりに盛り、かけだしをかけて頂く。もちろん、好みに応じて、ネギ・おろし生姜・揚げ玉・白ごまなどを加える。
<釜上げうどん> ゆで時間10分の時点で、ゆで汁とともにどんぶりに上げる。水にはさらさないで、そのままつけだしで食べる。麺が少々しょっぱいのが特徴。好みに応じて、ネギ・おろし生姜・揚げ玉・白ごまなどを加える。

参考資料:さぬき麺業株式会社「家庭で作ろう! 本場の手打ちさぬきうどん」


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岡田徹太郎 tetsuta @ ec.kagawa-u.ac.jp
香川大学経済学部