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研究室プロジェクト


 西成研究室では、香川県を中心に様々な“まちづくりプロジェクト”を請け負っています。
 研究室に所属する学生には、プロジェクトメンバーとして何れかの事業に関わってもらいます。

プロジェクト実績
 ・丸亀市「まちなか定住促進プロジェクト」2012〜
 ・香川県「中山間地域資源保全対策業務・五郷活性化プロジェクト」2010〜2011
 ・求人タイムス「ハローせとうち地域を盛り上げ隊記事連載(学生)」2011〜
 ・宇多津町「空き家マップ作成を通じた旧市街地の町並み形成支援」2010
 ・香川大学「瀬戸内国際芸術祭こえび隊香川大学分室プロジェクト」2010
 ・LLC「耕作放棄地における女木島南京豆育成プロジェクト」2010
 ・香川大学「香川大学幸町南キャンパス緑地整備事業A,B,Cゾーン」2009〜2010


香川県「中山間地域資源保全対策業務・五郷活性化プロジェクト」2010〜2011


 香川県農村整備課「ふるさと・水と土保全対策事業」の一環として、観音寺市五郷地区を対象に、中山間地の地域資源を保全活用するための対策検討業務を請け負いました。
 五郷地区で試みていることを端的に言うならば、五郷で暮らしている住民の方々と対話し、地域の問題解決に向けて自律的に活動するコミュニティづくりのお手伝いをしています。いわば、「持続可能社会を目指すコミュニティの主体づくり」がテーマです。諸外国では、こうした活動を「コミュニティディベロップメント」あるいは「コミュニティエンパワーメント」と呼び、政府や自治体、コミュニティがパートナーシップを組んで社会改善プログラムを実施しています。こうした活動からヒントを得て、地元の方々と一緒になってチームづくりに取り組んでいます。「コミュニティの再生」というよりは、「コミュニティの耕作」という言葉のほうがしっくりきます。コミュニティを耕すうえで、若い学生達の存在はとてもいい栄養剤となって、土づくりに貢献しています。
 2010年度研究室での調査を通じて、2011年6月、五郷有志の方々を中心に「五郷里づくりの会」が発足しました。この「里づくりの会」を中心に、五郷地区の方々とワークショップを繰り返し行い、五郷の情報共有と情報発信を行う仕組みをつくっていきました。五郷活性化プロジェクトの活動詳細については五郷公式ホームページ(http://gogou.jp/ )をご覧ください。

  
 五郷には、井関池、豊稔池ダム、五郷ダムという3つの水瓶があります。こうした水瓶の存在によって、下流域にある大野原、観音寺は、香川県内でも有数の農業地帯となっています。つまり、五郷は下流域にとっての水源地という役割を担っています。五郷に人が住まなくなれば、山や田畑は荒廃し、これまで人間と自然の調和のとれた生活環境が崩れ、水源地としての持続的な環境保全が困難になります。そうなれば、下流域でこれまで収穫できていた米や野菜の安定的収穫は望めなくなるかもしれません。また、何百年と培ってきた五郷の風景や祭りに象徴される歴史と文化は、その継続可能性を失ってしまうでしょう。
 五郷に暮らしていない外部の人間であったとしても、五郷地区の継続的な環境保全という問題は、自分自身の未来とも関連する問題といえます。行政上の区域や土地の所有権を超えて、身体の延長線上に地域の問題は根差しているのです。

 
 
 こうした理解のもと、研究室では五郷地区にすでに存在している地域資源を外部の視点から調査し、高松の出版社RootsBooksにご協力いただき、五郷住民と五郷に関心を持つ人々に向けて五郷読本『五郷-文化は山から降りてくる』を作成・出版しました。初版3,000部は五郷の全世帯と香川県内にて配布し、現在は在庫がほぼない状況です。関心のある方は、五郷公式ホームページ(http://gogou.jp/ )から冊子のPDFをダウンロードしてください。

 



「香川大学幸町南キャンパス緑地整備事業A,B,Cゾーン」2009〜2010

Aゾーン
 臨時の駐車場として使用されていた砂利舗装の広場を緑地へと戻す計画があったが、当該地区は鬱蒼と茂った松林によって誰からも認知されにくい空間であった。そこで、この松林を砂利舗装の広場側に移植し、学生がよく通る街路と砂利舗装の広場を空間的に接続した。
 松林のなかに埋もれていた楠はその場に残し、木陰をつくるシンボルツリーとした。砂利舗装の広場は芝生と盛土によって伸びやかな緑地広場と改修し、松林のあった土地は自然石の石畳広場へと改修した。石畳にはテーブルとイスを配し、学生が憩える空間とした。
    
整備前  整備後 

Bゾーン
 6号館(法学部)とグランドの間に挟まれた東西に長細い敷地であったが、鬱蒼と茂った木々と建物裏側のため、法学部の一部の学生以外は認知されにくい空間であった。
 既存の楠や八重桜を活かしつつ、心地よい散歩道へと改修するべく、これまで通り道がなかった狭い敷地に飛び石の通路を設けた。この散歩道の照明は、地元の庵治の石材組合がまちおこしとして取り組んでいる「石あかり」を8mおきに設置した。

    
整備前  整備後 

Cゾーン
 当初は、2号館前の当該敷地に駐輪場を整備する計画であったが、駐輪場を無計画につくったとしても使われない駐輪場が増える可能性が高い。そこで、駐輪場整備と同じ予算で既存のケヤキを活かした学生が憩える公共空間へと改修するプランを作成した。
 ケヤキが落とす心地よい木陰を利用し、ウッドデッキの設置を中心にすえて、周囲の芝生との接続を良好なものとするよう心がけた。
    
整備前  整備後