SPSS ときど記(111〜120)

SPSSを使っていてトラぶったところや変な出力や裏技表技の便利な使い方を中心に書き留めてみる。何回話題があるかわからですが,時々書きます。(Keizo Hori
最終更新日: (2001/9/26から)

(101)〜(110) ときど記(メニュー)へ  (121)〜(130)

  1. SPSS ときど記(120) 2002/11/20 分散分析 mixed の使用説明
  2. SPSS ときど記(119) 2002/ 9/27 分散分析 ランダム要因を含む処理例(mixed)
  3. SPSS ときど記(118) 2002/ 9/10 SPSS SPSS 11.5 米国版のリリース
  4. SPSS ときど記(117) 2002/ 9/10 分散分析 ランダム要因を含む処理例
  5. SPSS ときど記(116) 2002/ 6/25 図のコピー SPSSの図のコピー
  6. SPSS ときど記(115) 2002/ 6/25 value label, value label の付け方
  7. SPSS ときど記(114) 2002/ 4/19 SPSS SPSS 11.0 J がやってきた
  8. SPSS ときど記(113) 2001/10/ 6 syntax データ窓の1列の幅を変える
  9. SPSS ときど記(112) 2001/10/ 6 行列言語 相関行列を求める
  10. SPSS ときど記(111) 2001/ 9/26 SPSS SPSS 11.0 米国版のリリース

SPSS ときど記(120) 2002/11/20

分散分析 mixed の使用説明

mixed の使用説明書がSPSSのホームページにあった。pdfとhtmlの2種類。

http://www.spss.com/downloads/Papers.cfm?List=all&Name=all

にある

Linear mixed-effects modeling in SPSS - PDF file (521KB)

Linear Mixed Models case studies - (947KB)

後者はexeファイルになっていて,走らせると,自動解凍する。フォルダーを指定する必要あり。

まだ読んでいない。

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SPSS ときど記(119) 2002/ 9/27

分散分析 ランダム要因を含む処理例(mixed)

spss 11.0からadvanced に mixed が入っている。使い方がよく分からない。SASのprocedure mixed をよく研究せよということか。

SPSS ときど記(117) 2002/ 9/10 分散分析 ランダム要因を含む処理例 のデータを分析してみるととどうなるのであろうか。試行錯誤でやってみると,unianova とほぼ同様の結果がでた。

シンタックスに貼り付けると次のようになる。

MIXED
認知閾 BY 被験者 文字の大 熟知度 刺激語
/CRITERIA = CIN(95) MXITER(100) MXSTEP(5) SCORING(1)
SINGULAR(0.000000000001) HCONVERGE(0, ABSOLUTE) LCONVERGE(0, ABSOLUTE)
PCONVERGE(0.000001, ABSOLUTE)
/FIXED = 文字の大 熟知度 熟知度*文字の大 | SSTYPE(3)
/METHOD = REML
/RANDOM = 被験者 熟知度*被験者 被験者*文字の大 熟知度*被験者*文字の大 |
SUBJECT(被験者) COVTYPE(ID) .


メニューバーの場合
複合モデル→線型
被験者を被験者のところに入れる。→続行
認知閾を従属変数に入れる
被験者 文字の大 熟知度 刺激語を因子に入れる
固定(変数)の指定(因子) 文字の大 熟知度をまとめて反転し指定(こうすると交互作用も同時はいる→続行
変量クリック→被験者 熟知度*被験者 被験者*文字の大 熟知度*被験者*文字の大 を指定
被験者をグループ化変数に指定
→続行→OK

結果は unianova の処理結果に近い。
固定効果
固定効果のタイプ III 検定
ソース分子の自由度分母の自由度F有意
Intercept13.00029.254.012
文字の大12.97546.883.007
熟知度12.96711.345.044
文字の大 * 熟知度12.7273.788.156
a従属変数: 認知閾。


共分散パラメータの推定
パラメータ推定値標準誤差
残差34.50520837.0433462
被験者 [被験者 = 被験者]ID 対角118.7213542112.9742363
被験者 * 熟知度 [被験者 = 被験者]ID 対角13.671875017.6335069
被験者 * 文字の大 [被験者 = 被験者]ID 対角16.927083320.1728476
被験者 * 文字の大 * 熟知度 [被験者 = 被験者]ID 対角5.013020811.2748081
a従属変数: 認知閾。

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SPSS ときど記(118) 2002/ 9/10

SPSS SPSS 11.5 米国版のリリース

SPSS11.5のリリースがspssx メーリングリストでアナウンスされた。

http://www.spss.com/spssbi/spss/whats_new.htm

に新しい機能を紹介している。

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SPSS ときど記(117) 2002/ 9/10

分散分析 被験者内のランダム要因を含む処理例

SPSSのglm, unianova ではランダム変数を処理することができる。glm,unianova では被験者内要因を指定するwsfactor ランダム要因 random= を同時に指定できない。でどうするか。

 被験者内要因を別々のサンプル(オブザベーション)とするのである。

小牧純爾 『データ分析法要説』ナカニシ出版 1995 p69-p71
表5-6の例を使って処理をする。

(1)データは被験者もrandom 要因なので,1オブザベーションに1つのデータになるように入れます。(これが肝)

(2)unianova の中でランダム要因を指定してやる。この例では(被験者,刺激語)。固定要因が(熟知度,文字の大[きさ])。従属変数が(認知域)。となってます。

(3)unianova の中でdesign を指定する。(これが重要。特に下の赤のところに注意)

(2),(3)はSPSSのメニューでもできます。
(分析→一般線型モデル→1変量(U)

UNIANOVA
認知閾 BY 文字の大 熟知度 被験者 刺激語
/RANDOM = 被験者 刺激語
/METHOD = SSTYPE(3)
/INTERCEPT = INCLUDE
/CRITERIA = ALPHA(.05)
/DESIGN = 文字の大 熟知度 熟知度*文字の大
刺激語*熟知度*文字の大 被験者
文字の大*被験者 熟知度*被験者 熟知度*文字の大*被験者 .


出力を比較すると,(熟知度*被験者)(文字の大*被験者)(刺激語*熟知度*文字の大 )の誤差項にもってくるものがSPSSと小牧(1995)のでは違っている。私はSPSSの既定値でいいのではないかと思います。

小牧(1995)の誤差項にするには,一度SPSSの結果を出してから,SPSSの一番下の誤差(つまり残差)が1054.688,自由度36になっているのを確認して,次のようにシンタックスでtestを指定します。

おっと,(刺激語*熟知度*文字の大 )の誤差項は何を使ったのだろう。
50.13/.82=61.13414634
61.なにがしの数値は表にはでてこない。
-------------------------------------------- UNIANOVA
認知閾 BY 文字の大 熟知度 被験者 刺激語
/RANDOM = 被験者 刺激語
/METHOD = SSTYPE(3)
/INTERCEPT = INCLUDE
/CRITERIA = ALPHA(.05)
/test = 熟知度*被験者 vs 1054.688 df(36)
/test = 文字の大*被験者 vs 1054.688 df(36)

/DESIGN = 文字の大 熟知度 熟知度*文字の大
刺激語*熟知度*文字の大 被験者
文字の大*被験者 熟知度*被験者 熟知度*文字の大*被験者 .
-----------------------------------------------


結果は次のようになります。
被験者間効果の検定
従属変数: 認知閾
ソース タイプ III 平方和 自由度 平均平方 F 値 有意確率
切片 仮説 64325.641 1 64325.641 28.979 .012
誤差 6784.972 3.057 2219.724(a)

文字の大 仮説 8906.641 1 8906.641 42.250 .004
誤差 763.923 3.624 210.807(b)

熟知度 仮説 1859.766 1 1859.766 10.066 .037
誤差 686.265 3.714 184.766(c)

文字の大 * 熟知度 仮説 206.641 1 206.641 2.741 .163
誤差 349.675 4.638 75.391(d)

文字の大 * 熟知度 * 刺激語 仮説 601.563 12 50.130 1.711 .105
誤差 1054.688 36 29.297(e)

被験者 仮説 6596.672 3 2198.891 7.346 .041
誤差 1220.402 4.077 299.349(f)

文字の大 * 被験者 仮説 569.922 3 189.974 3.482 .166
誤差 163.672 3 54.557(g)

熟知度 * 被験者 仮説 491.797 3 163.932 3.005 .195
誤差 163.672 3 54.557(g)

文字の大 * 熟知度 * 被験者 仮説 163.672 3 54.557 1.862 .153
誤差 1054.688 36 29.297(e)

a MS(文字の大 * 熟知度 * 刺激語) + MS(被験者) - 1.000 MS(誤差)
b 1.000 MS(文字の大 * 熟知度 * 刺激語) + MS(文字の大 * 被験者) - 1.000 MS(誤差)
c MS(文字の大 * 熟知度 * 刺激語) + 1.000 MS(熟知度 * 被験者) - 1.000 MS(誤差)
d 1.000 MS(文字の大 * 熟知度 * 刺激語) + 1.000 MS(文字の大 * 熟知度 * 被験者) - 1.000 MS(誤差)
e MS(誤差)
f MS(文字の大 * 被験者) + MS(熟知度 * 被験者) - 1.000 MS(文字の大 * 熟知度 * 被験者)
g MS(文字の大 * 熟知度 * 被験者)

処理のシンタックス

Title "小牧(1995)データ分析法要説 ナカニシヤ p69-71". data list free/
被験者 文字の大 熟知度 刺激語 認知閾 .
begin data
1 1 1 1 8
1 1 1 2 3
1 1 1 3 3
1 1 1 4 8
1 1 2 5 8
1 1 2 6 8
1 1 2 7 8
1 1 2 8 8
1 2 1 9 18
1 2 1 10 18
1 2 1 11 18
1 2 1 12 23
1 2 2 13 23
1 2 2 14 23
1 2 2 15 23
1 2 2 16 28
2 1 1 1 20
2 1 1 2 20
2 1 1 3 15
2 1 1 4 20
2 1 2 5 25
2 1 2 6 30
2 1 2 7 30
2 1 2 8 60
2 2 1 9 35
2 2 1 10 40
2 2 1 11 50
2 2 1 12 35
2 2 2 13 50
2 2 2 14 55
2 2 2 15 70
2 2 2 16 60
3 1 1 1 23
3 1 1 2 18
3 1 1 3 18
3 1 1 4 23
3 1 2 5 28
3 1 2 6 23
3 1 2 7 23
3 1 2 8 28
3 2 1 9 38
3 2 1 10 43
3 2 1 11 48
3 2 1 12 43
3 2 2 13 58
3 2 2 14 68
3 2 2 15 68
3 2 2 16 68
4 1 1 1 23
4 1 1 2 23
4 1 1 3 18
4 1 1 4 18
4 1 2 5 28
4 1 2 6 23
4 1 2 7 18
4 1 2 8 28
4 2 1 9 48
4 2 1 10 43
4 2 1 11 38
4 2 1 12 43
4 2 2 13 53
4 2 2 14 48
4 2 2 15 53
4 2 2 16 63
end data.

UNIANOVA
認知閾 BY 文字の大 熟知度 被験者 刺激語
/RANDOM = 被験者 刺激語
/METHOD = SSTYPE(3)
/INTERCEPT = INCLUDE
/CRITERIA = ALPHA(.05)
/DESIGN = 文字の大 熟知度 熟知度*文字の大
刺激語*熟知度*文字の大 被験者
文字の大*被験者 熟知度*被験者 熟知度*文字の大*被験者 .
----------------------.

そういえばmixed で処理する方がいいのかな?

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SPSS ときど記(116) 2002/ 6/25

図のコピー SPSSの図のコピー

SPSSのspoファイルから図を他に移すと図がきたなくなったりフォントが異なるフォントに化けてしまうことがある。どうしてなんだかな。

SPSS ときど記(115)の図はきれいにコピーできている。これは一度ワードにドラッグ&ドロップして,htmlファイルに保存した。 保存結果のgif ファイルを使っている。こうするときれいにコピーできるようである。

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SPSS ときど記(115) 2002/ 6/25

value label var label, value label の付け方

SPSSも変数ラベルや値ラベルを使用するアウトプットが普通になったため変数ラベルや値ラベルの付け方を変えた方がいい。

といってももうすでに移行されている方は多いだろう。番号をつけた変数ラベルや値ラベルにする。categoriesのなかのcatpca の出力を比較してみよう。数量化3類の出力と考えてもらえばいい。下の2つの図のうち下のほう図のほうがなんとなくわかるかもしれない。上のほう図だととまどいがあるだろう。categories の出力のわかりにくさの一因となっている。実際にはもっとカテゴリー数が多くなるから,1-1 などのアイテム・カテゴリを番号にしたラベルにしたほうがいい場合もある。

同じように変数ラベルも問と項目番号をつけたほうがわかりやすい。因子分析の出力において負荷量順に並べたときに便利。




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SPSS ときど記(114) 2002/ 4/19

SPSS SPSS 11.0 J がやってきた

よんどころない事情により,しばらく有給休暇をとっていた。3月一杯まで,結果的になってしまった。3月20日頃,大学に来ている郵便を取り寄せてもらったところSPSSのバージンアップの通知があった。3月一杯が優待期間だ。急いで申し込んだところ,4月1日にはついていた。これからおいおいレポートすることになるだろう。

まだどのように改善がなされたかよく分かっていない。Windows98上のSPSS10.07では処理仕切れないで,永久ループにはまっていた400変数の因子分析処理ができるようになっていた。科学的表記とSPSSが行っている出力をやめることができるようになってよかった。


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SPSS ときど記(113) 2001/10/ 6

syntax データ窓の1列の幅を変える

データ窓の列の広さを変えるのを手作業でやるのは面倒だ。

syntax で指定すれば簡単。例えば

VARIABLE WIDTH v1 to v5(8).
format v1 to v5(f8.3).

というようにVARIABLE WIDTH で指定すればいい。幅は(8)というように指定する。ここでは幅8。
その下のformat はやはりデータ窓で一括変更がないので、複数変数を変えたいときはsyntax が便利。

VARIABLE WIDTH において複数の幅を指定したいときは、
VARIABLE WIDTH v1 to v5(8)/v6 to v8(3).
のようにスラッシュでつなげる。
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SPSS ときど記(112) 2001/10/ 6

行列言語 相関行列を求める

行列言語の中で素データから直接相関行列を求めたくなることがある。SPSS ときど記
(109)(108)数量化2類マクロなどでは直接求めている。

O'Connor 氏のマクロを少し修正したものを示す。
ncol(data) は変数の数を求めている。
直接以下のmatrix 言語をSPSSのシンタックス窓に貼り付けて走らせてみてください。

*-----------------------------.
matrix.
*3変数のデータ.
compute data = {
20,50,80;
70,60,20;
40,70,90;
45,70,30;
58,75,40;
58,30,60;
55,70,50;
30,80,60;
70,20,65;
75,35,80;
55,90,30;
95,100,85;
90,80,100;
55,20,60;
20,90,60;
60,55,70;
75,50,60;
60,5,55;
20,40,30;
35,0,35
}.
* correlation matrix.
compute zscores = make(nrow(data), ncol(data), -999).
compute n = nrow(data).
compute nm1 = n - 1.
loop #a = 1 to ncol(data).
compute mean = csum(data(:,#a)) / n.
compute sd = sqrt ( cssq((data(:,#a)- mean)) / nm1 ).
compute zscores(:,#a) = (data(:,#a) - mean) / sd.
end loop.
compute rdata = ( t(zscores) * zscores ) /nm1.
print rdata.
* 元のデータの保存、spss の相関を求めるプログラムを使って、比較して.
save data/outfile=*.
end matrix.
*-----------------------------.

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SPSS ときど記(111) 2001/ 9/26

SPSS SPSS 11.0 米国版のリリース

SPSS11.0のリリースがspssx メーリングリストでアナウンスされた。

http://www.spss.com/spss/new.htm

に新しい機能を紹介している。

Linear Mixed Models が一番の売りなのでしょうね。repeated 関係が強化された。

このほか分散分析のonewayにおいて Brown-Forsythe and Welch tests ができるようになった。こまめに強化している面はある。
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