消費者研究法(第26回)


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復習問題:重回帰分析はどのような目的に使用しますか?

第9章 多変量解析

2 主成分分析と因子分析

1.0 主成分分析の基本概念

 主成分分析(principal component analysis, PCA)は変数を縮約する方法である。多くの変数をなるべく少ない重要な「主成分」にまとめる。結果としてデータが縮約されることにもなる。例えば大学入試の成績を合計点にしているが、これよりも合理的な合計点をつくる方法と考えることもできる。ただし、主成分は1つとは限らないが、1つだけのときにこそ最大の威力を発揮する。複数のときは因子分析または、主成分分析の因子分析的使用のほうが理解しやすい。

例。垂直飛び、ボール投げなどの体力テストの成績、企業の財務指標の値、都道府県指標の値などから総合的指標を求める。

 主成分分析をことばでいうと、データの分散を最大に説明できる主成分(軸)を抽出する。次に第1主成分では説明できなかった分散を最大に説明する(つまり第1主成分と直交する)主成分を抽出する。主成分は変数の数だけ抽出できるが、なるべく少ない主成分でデータの多くの分散を説明できるところまでの主成分を考慮する。  数学的には、変数間のの分散共分散行列または相関行列の固有ベクトル、固有値を求めること(つまり固有値問題)に帰着する。

z=a1x1+.....+apxp=a'x

基準1 合成変量z の分散の最大化
基準2 直線z におろした垂線の長さの2乗和の最小化
基準3 合成変量zを説明変数、もとの変量x1,...,xp を目的変数として、回帰式をつくったときの残差平方和の合計の最小化
基準4 合成変量zともとの変数の相関係数の2乗和の最大化

excel で主成分分析(田中・垂水,1995 のプログラムからexcel へ移行)。

《参考・引用文献》

井上文夫ほか 1995 よりよい社会調査をめざして 創元社(テキストといっている書)
田中豊・垂水共之 1995 Windows版統計解析ハンドブック多変量解析 共立出版


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