消費者研究法(第23回)


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復習問題:最小自乗法を簡単に説明しなさい。
宿題のチェック
相関係数の求め方と利用法

第9章 多変量解析

1 重回帰分析

1.1 回帰分析の基本概念

線形回帰直線

y=β01x+ε

比較参照:y=ax+b

最適線および最小自乗法の実験アプレット 残差
Linear Regression Applet from Seeing Statistics

回帰係数と相関係数の関係
xとyの標準偏差が等しければ、回帰係数すなわち回帰直線の傾きが、相関係数(r)を表すことになる。
http://www.edupsy.sed.tohoku.ac.jp/cai/excel/kaiki1.html

excel での回帰直線実習
linest
独立変数 x が 1 つのときは
傾き (m):
INDEX(LINEST(既知のy,既知のx),1)

y 切片 (b):
INDEX(LINEST(既知のy,既知のx),2)

一度に計算するには
ツール→分析ツール→回帰直線 観測値グラフをチェック

相関係数データを使って計算する。


xからyへの回帰直線。yからxへの回帰直線。

r2決定係数と呼ぶ。

独立変数(または説明変数)
従属変数(または基準変数・目的変数 とか被説明変数)

1.3 重回帰分析

(1)重回帰分析とは
いくつかの変数(独立変数)をもとにある重要な変数(従属変数)を推定する。例えば、売上高は何によって規定されているのかを考えるときに、たくさんの店(支店とか地域の店、同業種の店など)の売上高(従属変数、目的変数)を売場面積、人口、店員の数など(独立変数、説明変数)を使って推定する式を作る。説明変数が量的変数が重回帰分析本来のものであるが、質的変数を扱えるように拡張されている。特に説明変数が質的データだけの場合には数量化1類という和製の技法がある。

(2)重回帰式の作成
式はテキスト参照
偏回帰係数 
データを標準化した場合の重回帰式の場合、標準偏回帰係数(ベータ係数)という。
各説明変数の目的変数への影響の大きさはこちらのほうでわかる。予測を実際にするときは元のデータを使った偏回帰係数のほうが重要。

予測に使うのか、重要性を評価したいのかによって使い分ける。
(3)重回帰分析の結果の見方
重相関係数 決定係数 2
この節で怪しげなことをいっているので注意

(4)よりよいモデルを求めて
重回帰分析では、試行錯誤的に式への影響の強いサンプルを除いたり、変数を削除、追加する手法が発達している。また、変数間の間に多重共線性がある場合は式が不安定になるので、変数間の関係にも注意を払う。これらの点を診断する手法を一通りマスターする必要がある。たいていは統計パッケージに入っている。

(5)実際の処理
(a)記述統計
(b)相関関係、散布図
(c)重回帰モデルの作成と重相関係数の検討
 自由度調整済み決定係数

(d)偏回帰係数の検討

《参考・引用文献》

井上文夫ほか 1995 よりよい社会調査をめざして 創元社(テキストといっている書)
チャタジー,S・プライス,B(佐和隆光・加納悟訳)1981 回帰分析の実際 新曜社
田中豊・垂水共之 1995 Windows版統計解析ハンドブック多変量解析 共立出版
青木繁伸氏のホームページ その2計算

Hair,J.F.jr., Anderson,R.E., Tatham,R.L., and Black,W.C.(1998) Multivariate data analysis. 5th ed. Prentice Hall.
Tabachnick,B.G., and Fidell,L.S.(1996) Using multivariate statistics. 3rd ed. Harper Collins
Stevens,J.(1996) Applied multivariate statistics for the social sciences. 3rd ed. LEA
芳賀敏郎・野澤昌弘・岸本淳司 1996 SASによる回帰分析 東京大学出版会

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