消費者研究法(第3回)


最終更新日: counter: (1998/10/13からの累積)


復習課題:マーケティング・リサーチというタイトルまたは副題のある本をリストアップせよ。その本は絶版になってますか?(インターネット検索)



内容からみた調査の種類(吉田正昭ほか『マーケティング・リサーチ入門』有斐閣新書(1983)p26)
マーケット調査個々の商品やブランドの市場の大きさや特性などのマーケットについての調査
消費者調査購買行動や使用状況、心理面をも測ろうとする調査(モチベーション・リサーチ、イメージ調査など)や消費者の行動、意識の面から細分化し、サブマーケットを抽出しようとする調査(ベネフィット・セグメンテーションなど)
商品調査商品がどの程度受け入れられるか、好ましい商品特性は何か、など新製品開発・改良や需要予測についての調査
流通調査販売戸数、取り扱いの有無、店頭・店内で顧客行動を調べる調査や販売店調査
プロモーション調査広告、キャンペーンの効果調査、あるいは広告表弁や媒体接触調査


調査全体の流れ

調査全体の流れ

《参考》井上他『よりよい社会調査をめざして』創元社の流れ図

調査の構想

(1)調査課題の明確化

調査必要の背景・条件の確認

マーケティング課題か調査課題か

調査可能な課題か

仮説を考えたか


マーケティング課題か調査課題かのチェックポイント(吉田ほか,1983,p32)
与えられた課題がそのまま調査課題になるか?あるいはどのように翻訳すれば適切な調査課題となりうるか?
(a)具体的調査方法が想定できること(予算、スケジュールの検討が可能になりうる)
(b)比較的短期間の作業(2,3年も要する場合は総合的な基礎調査)
(c)客観的データが得られること
(d)得られたデータだけで課題について解答できること(主観的判断を交えず説明できる=>定性調査の場合はこれに縛られるとしんどい)
(e)仮説検証型の調査では最終的に結論がYES、NOで言える課題であること。


↑ マーケティング課題
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利潤の増大
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価格引き上げ、コスト低減、売上高増
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現製品のマーケット拡大、新製品開発
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現存マーケット内勢力拡大(シェア拡大)、未開拓マーケット開発(マーケットの拡大)
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他のマーケットへの進出は 当該商品市場は拡大するか/先行市場は拡大するか
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各市場の規模特性の分析
各市場の推移分析
市場構成商品の需要予測
商品の需要性の拡大・縮小(用途拡張の可能性)
マーケット進出に際しての政策の決定
先行市場における当該マーケットの大きさを規定する要因分析
地理的拡大の可能性
最終ユーザセグメントの拡大の可能性
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消費者、小売り、卸、顧客、業種、地域別市場分析
時系列分析
生活パターンの変化の観点から商品ライフサイクルの判定
ターゲット決定のためおの顧客セグメンテーション
当該商品ジャンルの需要予測
自社製品の未進出の地域(国内、国外)の測定
非使用層の大きさと当該商品への好意度
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↓ 調査課題

下2つが調査課題。下から2番目からマーケティング課題

マーケティング課題から調査課題への例
(a)A商品の売り上げ5%アップ
     ↓
(b)新規顧客の創造
     ↓
(c)競合ブランド使用者の分析
     ↓
(d)競合ブランド使用者のブランドロイヤルティの測定
     ↓
(e)ブランドスイッチの可能性とその大きさの判断
     ↓
(f)ブランドスイッチの可能性のある層(A商品の潜在需要層)の特性の把握
     ↓
(g)デモグラフィックの側面、地理的側面その他の面からプロフィールを描く



(2)アプローチの検討

既存データで十分か、フィールド・データが必要か

数量データが必要か(定量調査[統計調査])
定性データはどうか(定性調査[典型調査、事例調査など])
お手軽調査は?(社内アンケート、販売店数店への飛び込み調査など準備調査)

規模はどうか(地域、課題の範囲)

既存データのリンク集
新たに見つけたところに富山県がらみの富山を考えるヒント(データ集&考察)

(3)制約条件の考慮

予算・日程は決められているか


《参考引用文献》
吉田正昭・和田若人・仁科貞文『マーケティング・リサーチ入門−消費者のこころを測る』有斐閣新書(1983)
香川大学 経済学 堀 啓造(home page)