消費者調査法(第2回)


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  1. amazon.co.jp   10  テーマ別に検索することもできる
  2. Webcat plus    5  要注意(新刊がでない)タイトル+目次から検索
  3. イーエスブックス 2
  4. ジュンク堂書店  2
  5. books.yahoo.co.jp 1
  6. TRC新刊書籍検索  1   要注意(タイトルの先頭から)
  7. google.co.jp   1  ???

本のリスト(完全でない)
10 上田 拓治(著)『マーケティングリサーチの論理と技法』日本評論社 2004年
09 日本マーケティング・リサーチ協会編 「マーケティング・リサーチ業界 〜その仕事と働く人たち〜」 同友館 2004.03
08 図解でわかるマーケティングリサーチ リサーチ理論と実務の進め方が図解でわ 石井栄造 著 日本能率協会マネジメントセンター
06 近藤光雄『マーケティングリサーチ入門』 日本経済新聞社 2004』
05 近藤光雄 著『マーケティング・リサーチの実際』日本経済新聞社〔2004〕
04 MBAマーケティングリサーチ入門 高田博和 ほか著 東洋経済新報社 03/07 \4400
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01 林英夫、種子田実、上笹恒、加藤五郎著『体系マーケティングリサーチ辞典』同友館2000年
01 平尾正之/河野恵伸/大浦裕二編,農産物マーケティングリサーチの方法,農林統計協会,2002.10
01 二木宏二, 朝野煕彦著『マーケティング・リサーチの計画と実際』日刊工業新聞社(1991)
01 朝野 照彦(著)『マーケティング・リサーチ工学 シリーズ・マーケティング・エンジニアリング』 朝倉書店 2000年
01 川畑篤輝著,マーケティングリサーチの実務 : 計量的手法の進め方, 日刊工業新聞社,1988.11
01 西尾 一雄(著)『マーケティング・リサーチの見方・考え方−基礎理論から実践まで』マネジメント社 1987年
01 金子 泰雄(著) 『現代マーケティング・リサーチ−理論と方法(増補改訂2版)』 創成社 1988年
01 吉田 正昭(著) 『マーケティング・リサーチ入門』(有斐閣新書) 有斐閣 1983年
01 岡本 真一(著)『コンジョイント分析−SPSSによるマーケティング・リサーチ』ナカニシヤ出版 1999年
01 マーケティング戦略ハンドブック 顧客中心時代の勝ち残りノウハウのすべて / 松下芳生/編 Team MaRIVE/著 PHP研究所
01 ファッション・マーケティング 高感性ライフスタイルをデザインする / 杉原淳子/著 嵯峨野書院 2004年6月
01 『現代のマーケティング・リサーチ』著:江尻弘、斉藤忠志 実教出版
01 『マーケティング・リサーチ 〜企業と公組織の意思決定』著:D.Aアーカー、G.S.デイ 訳:石井淳蔵 白糖書房 1981年1月
01 D.A.アーカー、G.S.デイ著:石井淳蔵、野中郁次郎訳『マーケティング・リサーチ:企業と公組織の意思決定』白桃書房 1981年



調査法の本としては

末永俊郎編『社会心理学研究入門』東京大学出版会(1987)
豊田秀樹『調査法講義 』朝倉書店(1998)

心理学の研究法については、
東京大学出版会の心理学研究法1〜17 1973年前後

マーケティングリサーチ(市場調査)については
吉田正昭・和田若人・仁科貞文『マーケティング・リサーチ入門−消費者の心を測る』有斐閣新書(1982)
吉田正昭・仁科貞文・天野祐吉・志津野知文『広告の心理−消費者の心をつかむ』有斐閣新書(1982)
朝野煕彦『マーケティング・シミュレーション−情報化時代の戦略的活用法』同友館(1990)
朝野煕彦『マーケティングリサーチ最前線−データ収集のニューウェーブ』同友館(1992)
朝野煕彦上田隆穂(2000).『マーケティング&リサーチ通論』講談社サイエンティフィク
朝野煕彦『マーケティングリサーチ工学』朝倉書店(2000)
林英夫他『体系マーケティングリサーチ事典 新版』同友館(2000)

社会調査については
浅井 晃『調査の技術』日科技連出版社(1992)
島崎哲彦『社会調査の実際−統計調査の方法とデータの分析−』学文社(2000)

調査を実際にどう活かして行くかの具体例としては
陸正『変わる消費者、変わる商品−消費財の開発とマーケティング』中公新書(1994)
がいい。

最近はポストモダン研究がありかなり自由度が高まっているが、あやしい領域ほどしっかりした研究法が必要である。

定性的方法(qualitative method)
探索的研究においてよく用いられる予備調査的なもの,非構成的方法。

問題点をより完全な形で定義する。
あとに行う研究において検証するための仮説を立てる。
新製品や新サービスのコンセプト,種々の問題解決策,製品属性等々を創案する。
新製品に対する反応を予備調査的に調べる。構成的質問票をつくる前にプリテストを行う。
消費者のものの見方や言葉による表現をしる。自分がこれまで知らなかったような状況(特定分野のニーズとその充足状況,製品使用状況や使用上の問題点など)を把握する。
構成的リサーチでは追求できないようなことを把握する。(林ほか,2000)

内観法(自己観察法)、プロトコール分析(発話分析)、ケーススタディ(事例研究),参与観察法,民族誌の方法
 定点観測など。

以下の方法は定性的方法としても使えるが,定量的方法として使うことが多い。
観察
実験
調査
面接調査、電話調査、

検査

研究の第一歩
何が知りたいのかはっきりさせる
結果によってどういうアクションをおこすか?



内容からみた調査の種類(吉田正昭ほか『マーケティング・リサーチ入門』有斐閣新書(1983)p26)
マーケット調査個々の商品やブランドの市場の大きさや特性などのマーケットについての調査
消費者調査購買行動や使用状況、心理面をも測ろうとする調査(モチベーション・リサーチ、イメージ調査など)や消費者の行動、意識の面から細分化し、サブマーケットを抽出しようとする調査(ベネフィット・セグメンテーションなど)
商品調査商品がどの程度受け入れられるか、好ましい商品特性は何か、など新製品開発・改良や需要予測についての調査
流通調査販売戸数、取り扱いの有無、店頭・店内で顧客行動を調べる調査や販売店調査
プロモーション調査広告、キャンペーンの効果調査、あるいは広告表現や媒体接触調査


調査全体の流れ

調査全体の流れ

《参考》井上他『よりよい社会調査をめざして』創元社の流れ図

調査の構想

(1)調査課題の明確化

調査必要の背景・条件の確認

マーケティング課題か調査課題か

調査可能な課題か

仮説を考えたか


マーケティング課題か調査課題かのチェックポイント(吉田ほか,1983,p32)
与えられた課題がそのまま調査課題になるか?あるいはどのように翻訳すれば適切な調査課題となりうるか?

(a)具体的調査方法が想定できること(予算、スケジュールの検討が可能になりうる)

(b)比較的短期間の作業(2,3年も要する場合は総合的な基礎調査)

(c)客観的データが得られること

(d)得られたデータだけで課題について解答できること(主観的判断を交えず説明できる=>定性調査の場合はこれに縛られるとしんどい)

(e)仮説検証型の調査では最終的に結論がYES、NOで言える課題であること。


 マーケティング課題
利潤の増大
価格引き上げ、コスト低減、売上高増
現製品のマーケット拡大、新製品開発
現存マーケット内勢力拡大(シェア拡大)、未開拓マーケット開発(マーケットの拡大)
他のマーケットへの進出は 当該商品市場は拡大するか/先行市場は拡大するか
各市場の規模特性の分析

各市場の推移分析

市場構成商品の需要予測

商品の需要性の拡大・縮小(用途拡張の可能性)

マーケット進出に際しての政策の決定

先行市場における当該マーケットの大きさを規定する要因分析

地理的拡大の可能性

最終ユーザセグメントの拡大の可能性
消費者、小売り、卸、顧客、業種、地域別市場分析

時系列分析

生活パターンの変化の観点から商品ライフサイクルの判定

ターゲット決定のための顧客セグメンテーション

当該商品ジャンルの需要予測

自社製品の未進出の地域(国内、国外)の測定

非使用層の大きさと当該商品への好意度
 調査課題

下2つが調査課題。上2つはマーケティング課題

マーケティング課題から調査課題への例

(a)A商品の売り上げ5%アップ
     ↓
(b)新規顧客の創造
     ↓
(c)競合ブランド使用者の分析
     ↓
(d)競合ブランド使用者のブランドロイヤルティの測定
     ↓
(e)ブランドスイッチの可能性とその大きさの判断
     ↓
(f)ブランドスイッチの可能性のある層(A商品の潜在需要層)の特性の把握
     ↓
(g)デモグラフィックの側面、地理的側面その他の面からプロフィールを描く



(2)アプローチの検討

既存データで十分か、フィールド・データが必要か

数量データが必要か(定量調査[統計調査])
定性データはどうか(定性調査[典型調査、事例調査など])
お手軽調査は?(社内アンケート、販売店数店への飛び込み調査など準備調査)

規模はどうか(地域、課題の範囲)

既存データのリンク集
既存のデータから考察する例:富山を考えるヒント(データ集&考察)

(3)制約条件の考慮

予算・日程は決められているか


《参考引用文献》
林英夫・上笹恒・種子實・加藤五郎編著『体系マーケティングリサーチ事典 新版』同友館(2000)
吉田正昭・和田若人・仁科貞文『マーケティング・リサーチ入門−消費者のこころを測る』有斐閣新書(1983)

10月15日課題
(1)次の朝日新聞の記事を読んで,そこからグリーン購入派に対して開発可能な商品またはサービスを企画してみよ。その開発根拠とした段落を番号で示し,商品,サービスへの結びつきを説明せよ。商品・サービスの具体性についてはいくつかの段階がありうる。

朝日新聞 2004年10月06日朝刊生活面記事(番号を付加している)

買い物「環境派」は天気にも敏感 1万人に調査 【大阪】

降雨確率40%でも,4割が傘持参

(1) 環境に配慮した買い物(グリーン購入)を心がけるという消費者は、低い降水確率でもかさを持って出かける傾向のあることが、野村総合研究所(東京)の植村哲士副主任研究員の調査で分かった。新しい製品やサービスに対しても「様子を見て」と慎重さがうかがえ、「リスク回避タイプ」と分析している。

(2) 15歳から69歳まで約1万人を全国から選び、昨年7月、アンケート形式で尋ねた。環境に配慮した製品を購入するという人は16・6%だった。

(3) そのうえで、何%の降水確率でかさを持って出かけるかをたずねたところ、「40%」でグリーン購入派の42・7%が持っていくと答えたのに対して、非グリーン購入派は33・4%にとどまった。

(4) 降水確率60%でも、グリーン購入派は85・6%で、そうでない人の79・8%と差が出た。

(5) 一方、新製品に対する反応を聞くと、関心度はグリーン購入派が上回った。

(6) しかし、いざ買うとなると、「少し様子をみてから」または「一般に普及してから」が77・2%で、非グリーン購入派の68・7%と比べて約9ポイント高く、情報収集には積極的だが、購入は慎重という傾向が出た。

(7) 植村研究員は「グリーン購入派は情報感度が高い。その分、リスクにも敏感で慎重に行動しがちなのでは」とみている。
 
(2)schosa@ec.kagawa-u.ac.jp にメールする.添付ファイルは認めない。
メールの題名は「10月15日課題」「」はつけない。数字は半角
必ず学籍番号,氏名を入れること.
提出は必ず香川大学のパソコンから学籍番号がわかるようにする.

期限は2004年10月20日(水曜日)21時00分

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